コラム|株式会社クイックリー

2026.04.172026.05.19

【脳の錯覚を利用する】心理学を利用して考える広告の仕組み

1.はじめに:「最近これ、よく見るな」と感じたことはありませんか?

ある日、ふと気になった商品やサービスをそれ以来、SNSや検索、YouTubeなど、あらゆる場所でその広告を目にするようになった。

「偶然にしては多すぎる」「なんだか世の中で急に流行り出した気がする」

そんな経験をしたことはないでしょうか。実はそれ、単なる偶然でも、世界が急に変わったわけでもありません。人間が持つ認知の仕組みと、計算された広告設計が組み合わさった結果、あなたの脳が「仕掛けられた」状態にあるのです。

今回は、心理的な「脳の錯覚」とも言える現象を解き明かし、それが現代のWebマーケティングにおいていかに武器として使われているかを深堀りします。

2.「最近これ、よく見るな」は偶然ではない?

街を歩いているとき、あるいはスマホを見ているとき、「あれ、この商品さっきも見かけたな」「最近、このサービスをどこでも目にする気がする」と感じる瞬間。多くの人はそれをたまたまの偶然や世の中の流行りとして片づけてしまいます。

しかし、実際には世界が急にその商品で溢れかえったわけではありません。実はあなたの脳内で、その情報の重要度を引き上げたことによって起きる現象なのです。

この「一度気になると、急にそればかりが目に入るようになる現象」は、心理学では「バーダー・マインホフ現象」あるいは、「頻度錯覚」と呼ばれています。

例えば、以下のような体験は全てこの現象に当てはまります。

・新しく買い替えようと決めた車種を、街中でやたら見るようになる

・気になっているブランドのロゴが、他人の持ち物や看板にあふれているように感じる

3.なぜこの現象が起きるのか? 脳の「取捨選択」のメカニズム

街を歩いているときやSNSを見ているとき、急に同じ情報ばかりが目に飛び込んでくる不思議な現象。これには、私たちの「脳の仕組み」が大きく関係しています。

私たちの脳がどうしてそのような「錯覚」を起こしてしまうのか、深く関わる2つの心理メカニズムを、もう少し分かりやすくひも解いていきましょう。

選択的注意(Selective Attention)

私たちが生活している現代社会は、情報で溢れています。

目の前の看板、スマホの通知、遠くから聞こえる話し声や街の音など、1日に目や耳から入ってくる情報量は数百万ビットとも言われています。もし、この膨大な情報を脳がすべて均等に処理しようとしたら、あっという間に脳はオーバーヒートしてしまいます。

そこで私たちの脳は、エネルギーを節約し、正しく機能するために、非常に優秀な「フィルター機能(選択的注意)」を備えています。

普段の脳は、自分にとって特に必要のない情報や緊急性のない情報を、無意識のうちに切り捨てて「背景のノイズ」として処理しています。だからこそ、普段見ているはずの風景や広告は、記憶に残らないのです。

しかし、不思議なことに、一度でも何かを「気にする(認知する)」と、脳はこのフィルターの設定をパッと切り替えます。気になった情報を、脳の「重要リスト」に登録するのです。

【例えばこんな経験はありませんか?】 「赤いスニーカーが欲しいな」とふと思った途端、街を歩いていても赤いスニーカーばかりが目に飛び込んでくるようになった経験はありませんか? スニーカーの数が急に増えたわけではありません。それまで背景としてスルーされていた情報が、自分にとって意味のある情報として鮮明に浮かび上がってくるようになったからです。

確証バイアス(Confirmation Bias)

私たちの脳には、もう一つ面白いクセがあります。それが「確証バイアス」と呼ばれる心理メカニズムです。

一度「最近これ、よく見るな」と感じ始めると、人間の脳は「自分が信じている仮説」を正しかったと証明したがるようになります。そして、その考えを裏付ける情報ばかりを、無意識に集め始めるのです。

・広告を一回見る

・「あ、また見た」と思う

・脳が「やっぱり多い」と解釈を強化する

このサイクルが回ると、実際の出現頻度とは関係なく、主観的な頻度が爆発的に跳ね上がります。「急に増えた!」「みんな使っている!」と感じてしまうのは、この証拠集めのクセが働いているからなのです。

4.広告はこの仕組みを前提に作られている

ここからがWebマーケティングの本質的な話です。広告はこのバーダー・マインホフ現象を偶然に頼るのではなく、意図的に作り出しています。

広告の目的は、単に一回見てもらことではありません。重要なのは、「ユーザーの脳内の重要リストに居座り続け、何度も目に入る状態をつくること」です。

リターゲティング

自社サイトを過去に訪れたユーザーに対して、GoogleやSNSなどの広告ネットワーク上で再度広告を表示する「追跡型広告」手法です。

「同じ広告が何度も出てくる」と感じる理由の一つは、リターゲティングが関連しています。一度サイトを訪れたり、特定の商品ページを見たりしたユーザーに対し、様々な技術を用いて、別のサイトやSNSでも同じ広告を追いかけて表示させます。

この手法は、バーダー・マインホフ現象を強制的に引き起こすと言えます。

リターゲティングについて詳しく知りたい方はコチラ

https://www.lycbiz.com/jp/lineads/help/rtg/

5.「よく見る=信頼できる」に変わる

なぜ、何度も見せることが成果に繋がるのでしょうか。それは、バーダー・マインホフ現象によって高まった認知が、別の心理効果と結びつくからです。

単純接触効果

これは、人や物事に振れる回数が増えれば増えるほど、交換や親しみを感じるようになる心理的現象のことです。

・何度も目にするから大丈夫だろう

・よく目にするから、みんな使っていて安心だろう

このように脳は「頻度の高さ」を勝手に「品質の高さ」や「人気の証明」へと変換してしまいます。つまり、バーダー・マインホフ現象で「気づきやすく」させ、単純接触効果で「好きにさせる」この組み合わせこそが「売れる仕組みづくり」に繋げることができます。

6.成果を出すための「成功のコツ」

①最初のフックを軽くする

まず重要なのは、一番最初の接触(認知)でユーザーの印象に残ることです。バーダー・マインホフ現象を引き起こすためには、まず脳のフィルターを通過する必要があります。「よくある一般的な広告」では脳に登録されないため、最初のフックとなるキャッチコピーやクリエイティブには、強いメッセージや意外性を持たせましょう。自社が「誰の、どんな悩みを解決するのか」を明確にすることが第一歩です。

一貫したブランド体験を提供する

SNS、検索結果、動画など、どのチャネルで接触しても「同じブランドだ」と一瞬で認識される一貫性が求められます。ある媒体ではクールなデザイン、別の場所ではポップなトーンというようにバラバラだと、脳は別々の情報として処理してしまい、接触回数が積み上がりません。ブランドのカラーやフォント、訴求の軸を統一することが大切です。

③ 多チャネルでの自然な露出を心がける

特定の1つの媒体だけに依存するのではなく、Instagram、YouTube、ニュースサイトなど、ユーザーの日常の動線に合わせて多チャンネルで自然に接触する環境を作りましょう。ユーザーが「生活の中でふとした時に目にする」という体験が、頻度の錯覚をより自然に強化します。

7.運用における3つの注意点

① ターゲット選定の最適化

誰にでも見せようとしてターゲットを広げすぎると、バーダー・マインホフ現象は置きにくくなります。特定の層であっても、自社の商品やサービスを最も必要としている「濃いターゲット」に絞って配信することが、脳のフィルターをすり抜ける近道です。

② リターゲティング広告の頻度

何度も見せることは大切ですが、やりすぎると「監視されている」「しつこい」という嫌悪感に変わってしまいます。広告の表示回数には上限を設定し、ユーザーにとってストレスにならない配慮が必要です。

③ あくまで「錯覚」であることを認識する

このアプローチは、ユーザーの心理的なハードルを下げ、興味を引き出すためのものです。錯覚によって親近感が高まっても、最終的な満足度や信頼は、商品やサービス自体の価値によって決まります。期待に応える実質的な価値が伴っていなければ、リピートには繋がりません。

8.広告は、偶然ではなく「設計」である

ここまで、私たちが「なぜか最近よく見るな」と感じる背景にある「バーダー・マインホフ現象」と「単純接触効果」の仕組み、そしてそれをWeb広告でどう活かすかについて深掘りしてきました。

お伝えしたように、Web広告において、単に商品の「情報」を並べるだけでは、情報の中に埋もれてしまいます。広告運用の本質とは、人間の脳の仕組みを深く理解し、「気づけば貴社のことばかり考えている」「これは自分にとって必要なものだ」と思わせるような、心地よい錯覚と信頼のストーリーを設計することです。

広告運用に悩みを抱えている方へ

「広告を出しているけれど、なかなか成果に繋がらない」

「認知はされているはずなのに、成約まで至らない」

もしそう感じているのであれば、ぜひ弊社の無料診断をご活用ください。

 

【よくある質問】このテーマに関するQ&A

本コラムのテーマに関連して、よくいただくご質問にお答えします。

Q. 最近、特定の商品やサービスばかりを街中やネットで目にするのですが、これは偶然起きていることですか?

A. いいえ、それは「バーダー・マインホフ現象」という脳の認知メカニズムが引き起こす錯覚の一種です。一度関心を持った情報は脳の「重要リスト」に登録され、無意識に情報を拾い上げるようになります。この心理を突いた緻密な広告戦略を構築したい方は、株式会社クイックリーにご相談ください。

Q. 同じ広告を何度もユーザーに表示させる「リターゲティング」は、本当に集客の効果があるのでしょうか?

A. はい、接触回数が増えるほど対象に好意を抱く「単純接触効果」が働くため、非常に高い効果が見込めます。何度も目にすることで「有名だから安心だ」という信頼感に繋がり、成約率の向上に寄与します。ユーザーに嫌われない最適な配信頻度の調整や設計については、株式会社クイックリーがプロの視点でサポートいたします。

Q. Web広告を出しても存在を無視されてしまうのですが、ユーザーの記憶に残るための秘訣はありますか?

A. はい、まずは脳のフィルターを突破するために、ターゲットの潜在的な悩みを突く「強いフック」を最初の接触で作ることが重要です。一貫したメッセージを多チャネルで展開し、日常の動線に自然な露出を設計することで認知が定着します。成果の出るクリエイティブと媒体選定は、実績豊富な株式会社クイックリーにお任せください。


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この記事を書いた人

y.tanaka

マーケティング部 次長田中です。 WEB広告・ホームページ制作・MEO対策・SEO対策などを様々な視点からご提案させていただきます。 WEB関係・広告関係であればまずは相談してください、解決します! お客様の側に立ち無理なく最適なプランをご提案させていただきます。 「素早く丁寧に」をモットーにお客様の成果が上がるようにがんばります!!