
💡 この記事の要点(3秒でわかるまとめ)
- Google広告の新機能「AI Max」により、どのLPに着地させるかの判断が運用者からAIへ移行し、LP自体がターゲティングの重要な要素となりました。
- LP制作では「顧客軸×インテント(意図)軸」のマトリクスで整理し、予算に合わせて優先度の高い2〜3の意図に絞ってページを用意するのが現実的な最適解です。
- 内容がほぼ同一の量産型LPはSEOのスパムポリシー(誘導ページ)に抵触するリスクがあるため、1枚ごとに独自の価値を提供することが不可欠です。
「これからはユーザーのインテントに合わせたランディングページを用意してください」
Google主催のセミナーやセッションに参加すると、最近こういう話を必ず聞きます。
理屈はわかる。でも会議室に戻って上司や制作チームに伝えようとすると、途端に言葉に詰まる。
「つまりLPを何枚作れば良いの」「その予算はどこから出るの」と聞かれて、答えられないままになっていませんか。
当社にも、広告運用をお任せいただいているお客様から同じ質問をいただきます。
特に月額30万円前後で運用されている中小企業の担当者様からは「大企業の話でしょう」という反応が返ってくることも多いです。
結論から言うと、その感覚は正しいです。ただし、まったく無関係かというとそうでもありません。
2026年9月から、Google広告の検索キャンペーンで自動アップグレードが始まっているからです。
この記事では、AI Maxという機能とランディングページの関係を整理したうえで、限られた予算でどこまでやるべきかという線引きまで踏み込みます。
目次
AI Maxとは、検索キャンペーンに後付けできるAI機能のセット
まず言葉の整理から入ります。
AI Max(日本語の管理画面では「AI 最大化設定」と表示されます)は、新しいキャンペーンタイプではありません。
既存の検索キャンペーンの設定画面から有効にできる、機能の詰め合わせです。
P-MAXのように新しい箱を作るわけではなく、今動いているキャンペーンにレイヤーを一枚足すイメージに近いです。
中身は大きく3つに分かれます。
| 機能名 | 何をするのか |
|---|---|
| 検索語句とのマッチング | 登録したキーワードに加えて、ランディングページや既存アセットの内容をもとに、関連性の高い検索語句へ広告を配信する |
| テキストのカスタマイズ | 見出しや説明文をAIが動的に生成し、ユーザーの検索内容に合わせて出し分ける(旧・自動作成アセット) |
| 最終ページURLの拡張 | 指定した最終ページURLを、ユーザーの検索語句と意図に応じてサイト内のより関連性の高いページに置き換える |
この記事のテーマにいちばん関係するのが3つ目です。
Google広告ヘルプの説明によると、最終ページURLの拡張を有効にすると、サイト全体のシグナルを使ったキーワードレスのターゲティングが可能になり、ユーザーの検索語句と意図に基づいて指定した最終ページURLがサイト内のより関連性の高いランディングページに置き換わります。
言い換えると、どのページに着地させるかの判断が、運用者の手からAIに移ったということです。
これまでは広告グループを分けて、キーワードとリンク先を一対一で紐づけるのが運用者の腕の見せどころでした。その部分が自動化されたわけですね。
よくある誤解1:AI MaxはP-MAXの検索版である
この誤解はかなり多いです。
P-MAXは「全部お任せ」で中身が見えにくい設計でしたが、AI Maxは検索キャンペーンの枠組みを保ったまま機能を足す形なので、性質が違います。
実務上いちばん大きい違いは、既存のキーワード設定が無効にならない点です。
設定済みのキーワードはそのまま機能し、そこにAIが関連性の高い検索語句への配信を上乗せする形になります。
完全一致キーワードを減らす必要もありません。
これまで積み上げてきたキーワード設計が無駄になるわけではないので、そこは安心してください。
レポート面も改善されています。
検索語句レポートで「AI Max」のマッチタイプが識別できるようになっているため、どの部分が拡張によって拾われたのかを確認できます。
ここは後述する運用チェックの要になります。
よくある誤解2:オンにすれば勝手に成果が上がる
Googleの公式ヘルプでは、AI最大化設定を有効にした広告主は現在と同程度のアクション単価・広告費用対効果で、コンバージョン数やコンバージョン値が平均14%上昇しているという数字が示されています。
ただ、この14%を持ち出して社内やクライアントに説明するのは危ういです。
数値の伸びはあくまで平均的な傾向で、業種や商材、もともとのキャンペーン設計によって結果は変わります。
実務記事でも、テキストガイドラインやブランドコントロールをきちんと設定しているアカウントほど、意図から外れた広告表示を防ぎながら成果を伸ばしやすいと評価されています。
そして見落とされがちなのが規模の問題です。
配信データやコンバージョン数が一定量ないと学習が進みにくいため、極端に配信規模の小さいアカウントでは効果が出るまでに時間がかかります。
ぶっちゃけた話、月に数件しかコンバージョンが発生していないアカウントで「オンにしたのに変わらない」と嘆いても、それは機能のせいではありません。
なぜ今、LPの枚数が議論になっているのか
機能の話だけだと「便利になったね」で終わってしまうので、その背景にある検索の変化を押さえておきます。
検索そのものが長文化している
ユーザーの検索は、単語の羅列から文章に近い形へ変わってきました。
「工場 求人 大阪」ではなく「未経験でも溶接を教えてもらえる工場が大阪にあるか知りたい」といった具合です。
この長い文章のなかには、複数の意図が同時に含まれています。
Googleが繰り返し示している数字として、毎日おこなわれる検索の15%はこれまでに発生したことのない新しいキーワードであるというものがあります。
これは10年以上前から言われている数字ですが、検索の長文化によって意味合いが変わってきました。
以前は「珍しい単語の組み合わせ」だったものが、今は「文章として一度きりの表現」になっているからです。
ここから導かれる実務上の結論はシンプルです。
その15%は、どれだけ丁寧にキーワードを登録しても構造的に登録できません。
手動でキーワードを積み上げる方法だけでは、顕在層の一部を確実に取りこぼすということです。
ユーザーは想定していた会社をあっさり乗り換える
もうひとつ、購入までの導線でユーザーが当初検討していた会社やブランドから乗り換える割合が高いという話もあります。
そして乗り換えのきっかけになるのが、自分に合った情報が提示されたかどうかです。
当社のクライアントワークでも似た場面はよくあります。
指名検索で入ってきたはずのユーザーが、比較検討の途中で他社に流れる。
理由を聞いてみると「そっちのサイトのほうが自分の状況に近いことが書いてあった」という、それだけの差だったりします。
ここが盲点です。
競合に負けたのは価格でも実績でもなく、ページに書いてある内容が自分向けだと感じられたかどうかだった、というケースが実際にあります。
2026年9月から自動アップグレードが始まっている
そしてこれが、いま確認しておきたいいちばん実務的な話です。
Google検索広告では、2026年9月より一部の検索キャンペーンをAI最大化設定へ自動アップグレードする対応が始まっています。
動的検索広告(DSA)のAI Maxへの移行は2027年2月に延期されましたが、通常の検索キャンペーンのうち特定の条件を満たすものは予定どおり進行しています。
やっかいなのが、元の設定によってアップグレード後の挙動が変わる点です。
| アップグレード前の設定 | アップグレード後の状態 |
|---|---|
| 自動作成アセットを利用 | AI Maxがオン、テキストのカスタマイズもオン。最終ページURLの拡張はオフのまま移行 |
| テキストのカスタマイズが有効 | あわせて検索語句とのマッチングもオンになる |
| キャンペーン単位のインテントマッチを利用 | AI Maxはオンになるが、テキストのカスタマイズと最終ページURLの拡張はオフのまま |
つまり「気づいたらAI Maxになっていたが、URL拡張はオフだった」というアカウントと、「検索語句のマッチングまでオンになっていた」というアカウントが混在します。
前者はLPを増やしても機能が使われず、後者は意図しない検索語句を拾い始めている可能性がある。
どちらも、放置していて良い状態ではありません。
なお検索語句とのマッチングは、アップグレード後に広告グループ単位でオフにできます。
全体を止めるのではなく、様子を見ながら部分的に調整する余地はあります。
顧客軸とインテント軸で整理する実務手順
ここからが本題です。
「インテントに合わせたLPを」と言われても手が動かないのは、そもそも整理の仕方が決まっていないからです。
まずはシンプルなマトリクスから始めてください。
ステップ1:縦軸に顧客セグメントを置く
自社のサービスを買う人を、3つ程度に分けます。
BtoBなら業種や職種、BtoCなら年齢層や利用シーンでも構いません。
たとえば法人向けの研修サービスなら「営業職」「事務職」「接客業」といった分け方になります。
ここは多くの会社がすでにやっていることです。
ペルソナ資料が眠っている会社も多いはずなので、まずはそれを引っ張り出してください。
ステップ2:横軸にインテント群を置く
ここが本当のポイントです。
インテントというのは、要するに「その人が何を解決したくて検索したのか」という意図のこと。
出稿中の検索キーワードを眺めて、意図が近いものをグループにまとめると作りやすいです。
同じ営業職という顧客層のなかでも、意図はまったく違います。
- 目の前の業務を確実に終わらせたい(効率化したい)
- このままで良いのか不安がある(市場価値を上げたい)
- 今より成果を出したい(数字を伸ばしたい)
同じサービスを紹介するにしても、この3つでは刺さる言葉がまるで違います。
顧客軸だけで切ると、この差が丸ごと抜け落ちます。そこが従来のペルソナ設計との違いです。
ステップ3:埋めるマスを2つか3つに絞る
顧客3つ×インテント3つでマトリクスを作ると、9マスできます。
ここで全部埋めようとすると必ず頓挫するので、最初から絞ってください。
絞る基準は3つです。
- 検索ボリュームがあるか(そのインテントで実際に検索されているか)
- 自社の強みが刺さるか(他社より明確に言えることがあるか)
- コンバージョンまでの距離が近いか(顕在層に近いか)
残りのマスは「今は捨てる」と明示的に決めます。
曖昧に残しておくと、いつまでも「やらなきゃ」が残って進みません。
マトリクスの本当の価値は、LPを何枚作るかではなく、今の1枚がどのマスに当たっていて、どこを取りこぼしているかが見えることにあります。
ステップ4:出稿して、CVRと流入数で仕分ける
作ったら出して、評価します。
おすすめは、縦軸にコンバージョン率、横軸に広告経由の流入数を取った散布図です。
エクセルでも5分で作れます。
見るべきは右下です。
流入は取れているのにコンバージョンしていないLP。ここが改善の優先度がいちばん高い場所になります。
左上(流入は少ないがCVRは高い)は、予算を寄せれば伸びる可能性がある場所です。
ステップ5:改善余地の大きいものを深掘りする
右下に落ちたLPについて、「どの顧客のどのインテントに対応させたページだったか」を振り返ります。
ステップ1から3をやっていれば、この振り返りができます。
やっていないと「なんとなくCVRが低い」で終わってしまう。
ここでGA4の行動データやヒートマップを重ねると、離脱している箇所まで特定できます。
生成AIに設計意図とページ内容を渡して、ズレている箇所を洗い出させる進め方も現実的になってきました。
広告費が月30万円なら、どこまでやるべきか
ここまで読んで「うちの予算規模では無理だ」と感じた方へ。
当社のお客様も月額30万円前後の方が中心なので、この論点は避けて通れません。正直に整理します。
まず、LPを増やしても広告費は増えません
これは誤解されやすいところです。
顧客軸とインテント軸でLPを分ける話は、同じ流入をより取りこぼさなくするための施策なので、媒体費は変わりません。
最終ページURLの拡張は1つのキャンペーンのなかで動くため、LPを増やしても予算や学習データが分散するわけでもない。
増えるのは制作費と運用工数です。ここを混同すると、話が噛み合わなくなります。
莫大な広告費が必要になるのは、この先の段階です。
LPで整理した情報を使って、デマンドジェンやP-MAX向けのバナー・動画を量産していくフェーズ。
月30万円の予算でここに手を出すべきではありません。前半だけ取って、後半は捨てる。これが正しい読み方です。
本当の制約は広告費ではなくコンバージョン数
仮にクリック単価500円だとすると、月30万円で約600クリック。コンバージョン率2%なら12件です。
自動入札の学習には月30件程度が目安とされているので、そもそも学習が回りきらない水準になります。
この状態で広告グループを9つに割ったらどうなるか。各マスが月1件から2件になり、評価も改善もできません。
だからマトリクスは9マス作っても、実装するのは2つか3つ。これが限られた予算での正解です。
顕在層をピンポイントで狙う戦略は、今も有効
予算が限られているなら、顕在層に絞る判断は今も正しいです。
潜在層向けの認知施策から始めても、成果が出る前に予算が尽きます。
ただ、顕在層の捕まえ方だけは変わりました。
先ほどの15%の話を思い出してください。
「エアコン クリーニング 費用」のような形ではなく、「賃貸のエアコンが臭うが管理会社に言うべきか自分で業者を呼ぶべきか」といった形で来る顕在層が増えています。
この人は間違いなく顕在層です。でも、キーワードとしては登録できません。
だからこそ、顕在層を取りこぼさないためにマッチング拡張を使う価値があります。
「AIに任せる=潜在層に広げる」ではないという理解が要ります。
予算が小さいアカウントでの導入の型
ただし暴発すると30万円は一瞬で溶けるので、進め方には型があります。
- まず広告グループ単位で部分的にテストし、実績を見てから広げる
- 除外キーワードを従来より厚めに積んでおく
- 検索語句レポートでAI Maxのマッチタイプを毎週確認する
- 最終ページURLの拡張は、着地させたくないページを除外してから有効にする
4つ目は必ずやってください。
最終ページURLの拡張を使うとランディングページが自動で選ばれるため、場合によっては意図しないページへ誘導される可能性があります。
配信したくないページがある場合は、最終ページURLの拡張の設定から「URLの除外を追加」で除外対象を指定できます。
逆に配信先を絞りたい場合は、広告グループで「URLの登録を追加」を使う方法もあります。
採用ページ、会社概要、古いキャンペーンページ。この3つは真っ先に除外候補です。
なお、URLの登録と最終ページURLの拡張を両方有効にすると、選択したURLに加えてGoogleが成果を期待できると判断したURLも使われる点は覚えておいてください。
完全に絞りたいなら拡張はオフにします。
よくある失敗パターン3選と対策
失敗1:LPを増やしたのに、URL拡張がオフのままだった
いちばん多いのがこれです。
インテント別に3枚作って公開したのに、設定を確認したら最終ページURLの拡張がオフ。
AIは新しいページの存在を使えないので、全部の広告が元の1枚に着地し続けます。
特に自動作成アセットを使っていたキャンペーンは、自動アップグレードでもURL拡張はオフの状態で移行します。作る前に、まず設定画面を開いてください。
対策:LP制作の発注前に、対象キャンペーンのAI Max設定を1枚のシートに書き出す。制作と設定変更をセットで進める。
失敗2:見出しと写真だけ差し替えた「量産LP」を作ってしまう
予算と納期の都合で、本文の9割が同じで見出しと写真だけ違うLPを何枚も作る。よくある話です。
これは広告的にも効きませんが、SEO的にはもっと深刻な問題になります。
Googleのスパムポリシーでは誘導ページが明確に違反行為として定められています。
Googleの公式ブログでも、地名以外がほぼ同一のページを大量に生成しているケースは、その地域ごとに特化した有用な情報をほとんど提供していないため誘導ページと判断される可能性が高いと説明されています。
2015年にはドアウェイページ・アップデートが実施され、キーワードの入れ替えのみで複数作成されたページの検索順位が下げられています。
つまり制約は枚数ではなく、1枚ごとに実質的に異なる中身があるかどうかです。
中身が違うなら9枚でも問題なく、中身が同じなら3枚でもリスクがある。
「先にマス目を作って埋める」という順番になった瞬間に危なくなります。
対策:1枚ごとに「このページにしか書いていないこと」を3つ挙げられるか確認する。挙げられないなら、そのマスはLPを分けずに他の方法で対応する。
失敗3:制作費が広告費を上回ってしまう
月30万円でLPを9枚も作ると、制作費が広告費を大きく超えて、費用対効果の説明ができなくなります。
もうひとつ地味に効いてくるのが運用負荷です。
9枚あると、料金改定が1回入るだけで9枚の修正が発生します。
共通パーツ化を先に設計していないと、更新の止まったLPが並ぶことになります。
対策:新規3枚より、既存1枚をいちばん太いインテントに寄せて改修する。数字で根拠が出てから、LP追加と予算増額を同時に提案する。
OK例とNG例で見る、インテント別LPの作り分け
抽象的な話が続いたので、具体例で比べてみます。
仮に「未経験者向けの溶接研修サービス」を扱っているとして、営業対象は工場を持つ製造業の採用担当者だとします。
| 比較項目 | NG例(分けたつもりの量産LP) | OK例(インテントで分けたLP) |
|---|---|---|
| 分け方の軸 | 「大阪版」「兵庫版」など地域名だけで分割 | 「すぐに人手が要る」「定着率を上げたい」など解決したい課題で分割 |
| ファーストビュー | 地域名を入れ替えただけの同一コピー | 課題ごとに異なる問いかけ。「3か月で現場に立てる人を」「辞めない職人を育てる」 |
| 本文の中身 | 9割が同一。実績も料金も共通 | 紹介する事例と数値が異なる。前者は研修期間、後者は定着率のデータ |
| コンバージョン導線 | すべて同じ資料請求フォーム | 前者は日程相談、後者は資料請求と、検討段階に応じて出し分け |
| SEO上の扱い | 誘導ページと判断されるリスクがある | それぞれ独自の情報があるため問題になりにくい |
| AI Maxとの相性 | AIがどれを選んでも結果が同じ。拡張の意味がない | 検索語句に応じて最適なページが選ばれ、機能が活きる |
並べてみると違いは明確です。
NG例は「検索エンジンのために分けたページ」、OK例は「ユーザーのために分けたページ」。同じ枚数でも意味がまったく違います。
LPを増やさずにインテントへ対応する3つの方法
予算的にLPを増やせない場合でも、打てる手はあります。実務でよく使う3つを紹介します。
方法1:URLパラメータでファーストビューだけ出し分ける
1つのLPを用意して、広告グループごとに異なるパラメータを付けて着地させます。
パラメータに応じて、ファーストビューのコピーと訴求ブロックだけを切り替える。
実績、料金、よくある質問といった共通部分はそのまま使い回します。
メリットは、1つのURLで運用できるためSEO評価が分散しないこと。更新も1か所で済みます。
デメリットは実装に少し手間がかかることと、AI Maxの最終ページURLの拡張とは相性が悪いこと。
AIが選べるのは実在するURLだけなので、パラメータでの出し分けは拡張の対象になりません。
手動で広告グループを分けて紐づける運用が前提になります。
方法2:同一LP内にインテント別セクションを作り、アンカーで着地させる
1枚のLPのなかに「業務効率化を優先する方へ」「人材定着を優先する方へ」といったセクションを設け、広告のリンク先をアンカー付きURLにする方法です。
実装コストはかなり低く、既存LPに追記するだけで済むケースも多いです。
ただ、ページ冒頭を飛ばして着地するため、そのセクションだけで完結する情報設計にしておかないと離脱します。
「ここから読み始めても意味がわかるか」を必ず確認してください。
方法3:広告文側で吸収する
インテントの差が小さいマスは、そもそもLPを分けなくても広告文の出し分けだけで足りることが多いです。
AI Maxのテキストのカスタマイズを使えば、この部分はある程度自動化されます。
実務的には、この3つを組み合わせるのが現実解です。
独立したLPを新しく作るのは、インテントの差が大きくて共通化するとどちらにも刺さらなくなるマスだけ。
9マスあっても、そこに該当するのは2つか3つというのが感覚値です。
AI時代でも、従来のSEOの基本は変わらない
AI Maxの話をしていると「これからはAI向けの対策が全部だ」という極端な話になりがちですが、そうではありません。
むしろ土台の部分は今までどおりです。
- テキストと画像、動画を適切に配置し、ユーザーが情報を取得しやすくする
- AIやクローラーが正しく読み取れるよう、構造化データを用意しておく
- ページ全体が1枚の画像でできているLPは避ける
- ユーザーがクリックした意図に合わせてページを設計する
3つ目は本当に重要です。
デザイン会社に丸投げして、ファーストビューから下まで全部画像という構成のLPは今でもよく見かけます。
この作りだと、AIがページの内容を読み取れません。最終ページURLの拡張は「サイト内のページの内容」を根拠に着地先を選ぶため、内容が読めないページは候補にすら入らない可能性があります。
せっかく機能を有効にしても、受け皿が読めなければ意味がない。ここは制作と運用の両方に関わる話なので、社内で必ず共有しておいてください。
実務チェックリスト
ここまでの内容を、そのまま確認作業に使える形にまとめました。運用中のアカウントを一巡してみてください。
設定の棚卸し(まず今週やること)
- 運用中の検索キャンペーンのうち、AI最大化設定がオンになっているものを一覧化した
- 「検索語句とのマッチング」がオンになっているキャンペーンを把握している
- 「テキストのカスタマイズ」がオンになっているキャンペーンを把握している
- 「最終ページURLの拡張」がオンになっているキャンペーンを把握している
- 意図せず自動アップグレードされたキャンペーンがないか確認した
暴発の防止
- 着地させたくないページ(採用、会社概要、終了したキャンペーンページなど)をURL除外に登録した
- 除外キーワードを従来より厚めに見直した
- 検索語句レポートでAI Maxのマッチタイプを確認する習慣がある
- ブランド指定や地域の設定など、コントロール機能を確認した
LP側の準備
- 顧客軸とインテント軸のマトリクスを作った
- 今のLPがどのマスに当たっているかを特定した
- 今期に取りにいくマスを2つか3つに絞った
- 捨てるマスを明示的に決めた
- 各LPに「ここにしか書いていないこと」が3つ以上ある
- ページ全体が画像だけで構成されているLPがない
- 構造化データを設定した
評価のしくみ
- LP別にコンバージョン率と流入数を集計できる状態になっている
- 右下(流入はあるがCVしていない)に該当するLPを特定した
- 月次で振り返る時間を確保した
全部にチェックが入らなくても問題ありません。上から順に、設定の棚卸しだけでも今週中に済ませておくと安心です。
まとめ
整理します。
AI Maxの最終ページURLの拡張によって、ランディングページはただの受け皿ではなくなりました。
どのページに着地させるかをAIが判断する以上、サイト内にどんなページが用意されているかが、そのまま配信の精度を左右します。
LPがターゲティングの一部になった、というのはそういう意味です。
ただし、だからLPを大量に作れば良いという話ではありません。
中身が実質同じページを並べれば、広告では効果が出ず、SEOでは誘導ページと判断されるリスクを負う。
枚数ではなく、1枚ごとの中身に独自性があるかどうかが問われます。
予算が限られている場合の答えははっきりしています。
顧客軸とインテント軸のマトリクスは9マス作る。
でも実際に手を入れるのは2つか3つ。残りは捨てると決める。
そして新規制作より前に、既存の1枚をいちばん太いインテントに寄せて改修する。
顕在層をピンポイントで狙う戦略そのものは、今も有効です。
変える必要があるのは、顕在層の入り口が長文化していることへの対応と、2026年9月から始まった自動アップグレードで設定が意図せず変わっていないかの確認。この2点に絞って動けば十分です。
社内で話を通すときは、Googleも言っていましたが「GoogleがLPを量産しろと言っていた」という伝え方だけは避けてください。
持ち帰るべきは、顧客軸とインテントで情報を整理した分析と、それを制作チームとどう分担するかという段取りのほうです。
広告運用とLP制作を、切り離さずに設計しませんか
今回の内容でいちばん厄介なのは、広告の設定を触る人とLPを作る人が別々になっているケースです。
URL拡張がオフのままLPだけ増えたり、逆に拡張はオンなのに着地先が1枚しかなかったり。
どちらも、部門が分かれていると起きやすい事故です。
当社はGoogle Premier Partnerとして広告運用を担当しながら、同じチームでホームページやLPの制作までおこなっています。
大阪を拠点に、製造業を中心とした200社以上の支援実績があります。設定の棚卸しから、どのインテントに絞るべきかの整理、実際のLP改修まで、窓口を分けずにご相談いただけます。
「今の設定がどうなっているかわからない」という段階でも構いません。まずは現状の確認からご一緒します。
出典・参考情報
- 【出典】Google Marketing Live の発表まとめ「新たな成長はキーワードの外に : AI とデータの力で掴み取る」:https://business.google.com/jp/accelerate/resources/articles/new-growth-lies-beyond-keywords/
- 【出典】Google 広告 ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定について」:https://support.google.com/google-ads/answer/15910366?hl=ja
- 【出典】Google 広告 ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み」:https://support.google.com/google-ads/answer/15910187?hl=ja
- 【出典】Google 広告 ヘルプ「最終ページ URL の拡張(アセットの最適化)について」:https://support.google.com/google-ads/answer/16672777?hl=ja
- 【出典】Google 広告 ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定をセットアップする」:https://support.google.com/google-ads/answer/15909989?hl=ja
- 【出典】Google 検索セントラル ブログ「誘導ページ(ドアウェイページ)について」:https://developers.google.com/search/blog/2012/01/doorway-page?hl=ja
- 【出典】Google 検索セントラル ブログ「誘導ページに関するアップデート」:https://developers.google.com/search/blog/2015/03/an-update-on-doorway-pages?hl=ja
- 【参考】アナグラム株式会社「Google検索広告で特定の条件を満たすキャンペーンをAI Maxにアップグレード」:https://anagrams.jp/blog/ai-max-upgrade-eligibility-google-search-ads/
- 【参考】株式会社グラッドキューブ「【Google広告】AI最大化設定の機能や活用方法について解説」:https://www.glad-cube.com/blog/?p=67211
【よくある質問】このテーマに関するQ&A
本コラムのテーマに関連して、よくいただくご質問にお答えします。
A. いいえ、AI Maxは既存の検索キャンペーンに後付けできるAI機能のセットであり、P-MAXとは性質が異なります。キーワード設定を維持したまま、検索語句のマッチング精度向上やURL拡張を利用できるのが特徴です。運用の透明性を保ちつつ最新のAI機能を活用する方法について、株式会社クイックリーが詳しくご案内します。
A. いいえ、中身が実質的に同じ「量産型LP」はGoogleのスパムポリシーで禁止されている「誘導ページ」と判断されるリスクが高く、SEOに悪影響を及ぼします。広告成果を上げるためにも、ユーザーの悩みやインテントごとに独自の内容を含んだ質の高いページを設計することが重要です。適切なLP制作の指針は株式会社クイックリーにお尋ねください。
A. はい、限られた予算であれば無理に枚数を増やさず、コンバージョンに近い2〜3の重要なインテントに絞ってLPを制作または改修するのが最善です。リソースを分散させず、最も獲得が見込めるターゲットに対して精度の高いメッセージを届けることで費用対効果を最大化できます。戦略的な優先順位付けは株式会社クイックリーがサポートいたします。
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