2025.10.30

Googleマップの住所登録は業種で変わる!正しい設定方法と注意点


はじめに

近年、Googleマップを活用した集客「MEO対策(Googleビジネスプロフィール最適化)」が注目を集めています。しかし意外と見落とされがちなのが、住所登録の正確さと業種との整合性です。

実はGoogleマップの住所設定は、すべてのビジネスが同じ方法で行えるわけではありません。店舗を構える業種と、訪問・出張型の業種では登録方法が異なり、間違った設定をするとガイドライン違反になるケースもあります。

この記事では、業種別の最適な住所登録方法や、違反リスクを防ぐポイントをわかりやすく解説します。MEO対策を始める前に、ぜひチェックしておきましょう。

1. Googleマップの住所登録が重要な理由

Googleマップ上の住所情報は、ユーザーがあなたのビジネスを見つける際の「信頼の基盤」となります。特にホテルや飲食店、美容室などの店舗型ビジネスでは、地図上で正しい位置情報が表示されていることが予約や来店率に直結します。

一方で、訪問型・非店舗型の業種では「住所非公開設定」や「サービス提供地域の登録」が求められるなど、業種ごとにGoogleの意図する運用ルールが異なります。誤って登録すると、最悪の場合アカウント停止となるケースもあるため注意が必要です。

さらにMEO(Map Engine Optimization)では、ピンの位置や住所情報の整合性がアルゴリズム評価に大きく影響します。ユーザーが「近くの〇〇」で検索した際、正確な所在地情報をもつ店舗の方が上位に表示されやすいため、住所登録の精度が直接的に順位に関わる重要要素となっています。

2. 業種によって登録方法が異なる理由

Googleはユーザー体験を最優先に設計されています。つまり、検索したユーザーが「実際に訪問できる場所なのか」「どの地域でサービスを受けられるのか」を明確にすることを目的としています。

そのため、ビジネスの形態に応じて、登録すべき住所情報の形式が異なります。ここでは大きく分けて、店舗型・非店舗型・ハイブリッド型の3つのパターンを紹介します。

3. 店舗型ビジネス:実店舗を構える業種

代表的な例として、以下のような業種が該当します。

  • ホテル・旅館
  • 飲食店・カフェ
  • 美容室・整体院
  • クリニック・薬局
  • 小売店・ショールーム

これらは「ユーザーが実際に足を運ぶことを前提」とした業態です。そのため、住所登録は建物名・階数まで含めた正確な所在地を入力し、ピンの位置も実際の入り口に合わせて微調整しましょう。

▼ポイント

  • 建物名や部屋番号を正確に入力する
  • マップピンの位置を店舗入り口に合わせる
  • Googleストリートビューと一致させる

誤ったピン位置や住所省略は、来店トラブルや検索順位の低下につながるため注意が必要です。

4. 非店舗型ビジネス:出張・訪問型の業種

つぎに「顧客のもとへ訪問する」タイプのビジネスです。例えば以下のような業種が該当します。
(サービス提供地域の設定方法)

  • ハウスクリーニング
  • 出張整体
  • デリバリー
  • 撮影カメラマン

このタイプでは、実際に顧客が来店できる場所がないため、住所をマップ上に公開してはいけません。Googleのガイドラインでは、「サービス提供地域(Service Area)」を登録し、住所を非表示にすることが求められています。

非店舗型ビジネスで上位表示を目指す具体的手法(実践チェックリスト)

以下は非店舗型でもMEOで上位表示を目指すための具体的施策です。

  • サービス提供地域の明確化
    Googleビジネスプロフィールで対応エリアを複数指定し、最もカバーしたい市区町村を優先的に含める。
  • 地域キーワードを活用したビジネス説明文
    プロフィールの説明文やウェブサイトのトップに「大阪市全域対応の出張整体」など地域名を自然に含める。
  • NAPの徹底一致
    Name(名称)、Address(住所:事務所や代表住所)、Phone(電話番号)を自社サイト・SNS・外部ポータルで一致させる。
  • 投稿で活動エリアを示す
    作業事例投稿や完了写真に地域名を入れ、投稿頻度を高めてGoogleに活発なビジネスだと認識させる。
  • レビュー戦略
    実際に訪問した顧客に「地域名入り」のレビューを依頼する(例:「大阪市内で丁寧に対応してくれました」など)。※インセンティブは禁止。
  • ローカルページの設置
    自社サイトに対応エリアごとのランディングページ(例:大阪市ページ、北区ページ)を作り、地域ごとのSEOを強化する。
  • 構造化データの活用
    Schema.orgのLocalBusinessやServiceの構造化データを自社サイトに追加し、Googleに提供エリアや営業時間を正確に伝える。
  • 外部サイトのエリア表記強化
    ポータルサイトやSNSのプロフィールにも提供地域を明記し、一貫性を保つ。

▼具体的投稿例(テンプレ)
「本日は大阪市北区で出張整体を行いました。お体の悩みを丁寧にお聞きして、腰痛が改善されました。#大阪市 #出張整体」

このように、投稿・レビュー・サイトコンテンツで地域性と実績を継続的に示すことが、非店舗型のMEO成功に不可欠です。

5. ハイブリッド型ビジネス:店舗+訪問の両方に対応する業種

最後に、店舗を持ちながら訪問サービスも行う「ハイブリッド型」ビジネスです。

  • 自動車整備・板金(来店と出張修理どちらも対応)
  • 住宅リフォーム・インテリア(来店相談+出張施工)
  • 写真館(スタジオ撮影+出張撮影)
  • エステ・整体(店舗+出張施術)

この場合は、店舗住所を登録しつつ、サービス提供地域も追加設定するのが正解です。どちらか一方しか登録しないと、検索表示が限定されてしまうため、ハイブリッド型は両方の特徴を活かすことが重要です。

▼例
住所:大阪市淀川区◯◯1-2-3(表示する)
サービス提供地域:大阪府・兵庫県(追加設定)

6. ガイドライン違反になりやすいNG設定

住所登録の間違いで最も多いのが「バーチャルオフィス・レンタルオフィス・自宅住所の誤用」です。

  • レンタルオフィス住所を使用:常駐スタッフがいない場合はNG
  • 他社と同一住所を登録:重複判定で表示制限の対象になる
  • 存在しない住所の登録:マップ削除やアカウント停止の可能性

住所登録を間違えると発生する実際の影響例

誤った住所登録は、単に表示が消えるだけでなく、ビジネス上の大きな損失を招きます。以下に起きうる具体的な影響と、起きた際の対応手順を示します。

  • 来店トラブルとクレーム増加:ピン位置が誤っていると顧客が到着できず評価が下がる。まずピン位置を修正し、到着できなかった旨のレビューには丁寧に返信して誠意を示す。
  • 検索順位の大幅低下:不正確なデータはアルゴリズム評価を下げ、検索圏外に落ちる。NAPの整合性を確認し、ストリートビューや写真を更新して整合性を回復する。
  • プロフィールの一時停止・削除:ガイドライン違反で停止された場合、再審査には時間がかかる。公式ガイドラインに従って修正し、Googleに再審査リクエストを送る。
  • 第三者による情報編集の混乱:ユーザー提案で住所が書き換えられることがある。オーナー確認を行い、定期的にプロフィールの変更履歴をチェックする。

▼トラブル発生時の実務チェックリスト

  1. まずはプロフィールの「情報」→「所在地」を開き、住所とピン位置の一致を確認
  2. ストリートビューで実際の外観が合っているか確認
  3. 異常があれば即時修正し、変更理由をメモ(再審査時に説明できるように)
  4. 必要であれば写真や営業時間、説明文を更新して情報の鮮度を上げる
  5. 再審査依頼を送る際は、修正内容と事実を簡潔に記載する

公式の住所ガイドラインも確認してください:Googleビジネスプロフィール住所ガイドライン

7. 非店舗型ビジネスはなぜ存在するのか

近年、ビジネスの形は大きく変化しています。従来のように「店舗を構えてお客様を迎える」だけが商売の形ではなくなり、サービス提供の場を持たない“非店舗型ビジネス”が急速に増えています。

背景には、働き方や消費行動の多様化があります。たとえば、出張型の整体・訪問介護・出張撮影・デリバリー・オンラインカウンセリングなど、「お客様のもとへ行く」「オンライン上で完結する」という新しいビジネス形態が定着してきました。コロナ禍をきっかけに、人が集まる店舗を持たずに柔軟にサービスを提供するスタイルが一般化したことも、大きな要因の一つです。

また、事業者側にも「固定費を抑えたい」「フリーランスとして自由に働きたい」「自宅を拠点に小規模で始めたい」といったニーズが増えています。こうした背景から、場所に縛られず、顧客のニーズがある場所でサービスを展開する形が、現代的なビジネスモデルとして求められているのです。

 非店舗型ビジネスが必要とされる理由

  • 顧客の利便性:利用者が移動せず、自宅やオフィスでサービスを受けられる。
  • 事業者の柔軟性:テナント費用をかけずに開業でき、複数エリアをカバーできる。
  • 社会的需要:高齢化・共働き世帯の増加・地方エリアの人手不足など、出張型サービスの需要が拡大している。
  • デジタル化の進展:Zoom・LINE・SNSを通じてオンライン完結できる業種が増え、対面の必要性が減っている。

つまり、非店舗型ビジネスは単なるピンを立てられない業種ではなく、「顧客の生活に合わせた柔軟なサービス提供方法」として求められています。
MEO対策の観点から見ても、地図上にピンを立てなくても地域との関係を築くことは可能です。ユーザーは「近くで頼める業者」や「地域対応の専門家」を探しているため、サービス提供エリアを明確に発信し、地域に根ざした活動を続けることで、ピンがなくても“選ばれる存在”になることができます。

非店舗型の存在は、店舗型がカバーしきれない領域を補う重要な役割を担っています。
たとえば「時間が取れない人」「移動が難しい高齢者」「特定の場所では対応できない作業」などにサービスを届けることで、地域社会全体の利便性を高めることにつながります。

このように、非店舗型ビジネスは「店舗がない」ことが弱点ではなく、むしろ“顧客接点を広げる新しい手段”として成長している分野です。
Googleマップ上ではピン表示がなくても、地域名を含めた情報発信やレビュー投稿、活動報告などによって、地域密着型ビジネスとしての信頼を築くことができます。

8. 正しい住所登録の手順とチェックポイント

事業者が実際に作業するための手順を詳しく示します(画面名称は更新されることがありますが基本的な流れは同じです)。

  • アカウント確認:Googleアカウントでオーナー確認が済んでいるか確認(未確認の場合はハガキや電話での認証を行う)。
  • 情報編集:管理画面→「情報」または「プロフィールを編集」を選択。
  • 所在地の入力:正確な住所を建物名・階数まで入力。誤字がないか2回確認。
  • ピン位置の微調整:地図でピンをドラッグし、入口や来客が止める場所に合わせる。
  • 非店舗型の設定:来店不可であれば「所在地を表示しない」を選び、サービス提供地域を設定。
  • 写真の追加:外観写真、入口写真、スタッフ写真を追加して実在性を裏付ける。
  • 投稿とレビュー管理:投稿を定期的に行い、レビューが付いたら速やかに返信。
  • 記録とログ:変更履歴や修正理由を社内で共有し、誰がいつ変更したかを残す。
    ▼補足ツール
    Googleが公式に提供するヘルプページ以外にも、ローカルSEO向けツール(NAPチェック、構造化データ検証ツール、ローカルキーワード調査ツール)を使うことで、改善スピードと再発防止が期待できます。

9. まとめ:正しい住所登録が信頼と集客を高める

Googleマップでの住所登録は、単なる地図上の表示ではなく、ユーザーとの信頼関係を築く最初の接点です。業種に応じた正しい設定を行うことで、ガイドライン違反を防ぎながら検索表示を最大化できます。

特に非店舗型・ハイブリッド型では、ピンが立てられなくても地域性・信頼性を高める施策(投稿、レビュー、NAPの整合性、構造化データ)が重要です。実務的な手順に従って丁寧に整備すれば、検索順位の改善と集客増加につながります。

「どの登録が正しいか不安…」という場合は、専門家を活用するのも有効です。MEO対策の第一歩として、正しい住所設定から始めましょう。

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この記事を書いた人

y.tanaka

営業の田中です。 前職は不動産の賃貸仲介会社で勤務していました。 WEB広告・ホームページ制作などを様々な視点からご提案させていただきます。 WEB関係・広告関係であればまずは相談してください、解決します! お客様の側に立ち無理なく最適なプランをご提案させていただきます。 「素早く丁寧に」をモットーにお客様の成果が上がるようにがんばります!!
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