近年はスマートフォンからの検索流入や広告流入が増えており、電話による問い合わせ・申し込み・予約も頻繁に行われています。
電話を通じたコンバージョンを正しく把握するためには、コールトラッキングを実施することが重要です。
コールトラッキングという言葉は聞いたことがあっても、コールトラッキングとはそもそも何か、
具体的にどのような効果があるかを知らない方も多いのではないでしょうか。
当記事ではコールトラッキングの基本知識や必要性と、コールトラッキングのおすすめツールを紹介します。
目次
1. コールトラッキング(電話計測・電話効果測定)とは何か
顧客がwebページやweb広告を見てコンバージョンに至る経路は、主に下記の3つが考えられます。
(1)webページやweb広告から販売ページにアクセスし、商品・サービスの購買を行う
(2)webページやweb広告を見て商品・サービスについて調べ、メールで問い合わせする
(3)webページやweb広告を見て商品・サービスについて調べ、電話で問い合わせする
近年はスマートフォンの普及によって(3)の電話を通じたコンバージョンが増加しており、コールトラッキングの必要性が増しています。
一般社団法人電気通信事業者協会:携帯電話・PHS事業者別契約数
以下ではコールトラッキングとは何かを、必要性や効果・機能も含めて解説します。
1-1. コールトラッキング(電話計測・電話効果測定)とは
コールトラッキングとは、顧客が電話で行った問い合わせ・申し込み・予約など、電話を通じたコンバージョンを計測することです。
web広告やwebページには基本的にコンバージョン計測機能があります。
しかし、web上のコンバージョンは、あくまでもweb上で成果が得られたときに役立つ指標です。
「web広告で興味を持ち、電話で申し込みをした」ユーザーについては、web広告のコンバージョン計測機能では計測できません。
web広告などの効果を正しく把握するためには、コールトラッキングでwebを通さない反響について確認する必要があります。
1-2. なぜコールトラッキングをするのか
電話を通じたコンバージョンとは、一般的に商品購入の申込やサービスの予約を指しています。
しかし、顧客が行った電話のすべてが商品・サービスの購買につながる成果とは限りません。
入電のあった回数の中には間違い電話や電話対応中の離脱も含まれています。
コールトラッキングをせずに入電数のみで効果測定をした場合は、入電数と実際の成果に乖離が起こることを防げません。
コールトラッキングは、電話を通じたコンバージョンの内容を具体的に把握するために必要な計測方法です。
1-3. コールトラッキングの仕組み
次にコールトラッキングの仕組みを解説します。
まず、計測用の電話番号を発行し、WEBサイト上に掲載します。
この電話番号から電話があると、コールトラッキングツールのサーバーを経由して、電話を着信します。
通常通り電話応対を行い、終話するとサーバーに通話データが反映されます。
この通話データにどんな情報が含まれるかは、どのツールを使用するかによって異なりますが、
参照元・メディア/検索キーワード/発信番号/着信時間/通話時間/都道府県などの地域情報
などがあります。
1-4. コールトラッキングの効果・メリット
コールトラッキング導入の効果は、主に下記の3つが挙げられます。
・web広告の正しい費用対効果を検証できる
web上のコンバージョンと電話を通じたコンバージョンの両方を計測することで、web広告の正しい費用対効果を検証できます。
web上のコンバージョンのみを計測した場合は費用対効果が低かったweb広告も、
コールトラッキングの結果も含めると費用対効果が高くなることは少なくありません。
・電話からの問い合わせ状況を把握できる
コールトラッキングでは、全体の入電回数から入電日時や発信者の番号、流入経路まで、
電話を通じたコンバージョンに関するさまざまなデータを取得できます。
電話からの問い合わせ状況を把握して、集客方法や広告内容の改善に活用することが可能です。
・不在着信や通話中などによる機会損失を減らせる
コールトラッキングを導入することで、不在着信や通話中などによる機会損失が発生した日時の把握が可能です。
顧客からの電話が多い時間帯に対応できるよう人員配置を調整したり、通話中の入電に対応できるシステムを整えたりすることで、機会損失を減らせます。
1-5. コールトラッキングツールの機能・サービス紹介
コールトラッキングツールの代表的な機能を4つ紹介します。
・入電管理
入電があった日付・曜日・時間や発信者の電話番号を記録し、いつでも確認できるように管理します。
入電が多い時間帯の傾向や、顧客の属性を分析するときに役立つ機能です。
・通話録音
通話の内容を録音する機能です。電話対応の品質管理やクレーム状況の把握に役立ち、顧客対応のサービス向上を図れます。
・自動音声応答システム
IVRとも呼ばれる、顧客が電話したときに「○○の方は1番を、××の方は2番を……」と自動の音声ガイダンスを流す機能です。
顧客の問い合わせ内容に応じて人員を割り当てられるほか、入力された番号で問い合わせ内容を簡単に計測できます。
・メールによる着信通知
顧客からの入電があったときにメールで着信通知を受け取れる機能です。
不在時や通話中にも顧客からの入電に気付くことができ、すぐに折り返しの電話をかけて機会損失を防げます。
2. コールトラッキングシステムの種類比較
2-1. 電話番号ごとの入電情報のみを扱うシステム
広告媒体ごとに電話番号を発行し、その番号ごとに着信データを蓄積するシステムです。
複数の広告媒体を使用している場合に、問い合わせ件数の多い媒体・少ない媒体が分かりやすくなります。
発行した電話番号ごとに件数や通話データを収集するシンプルな仕組みのためコストが抑えられる点がメリットです。費用を抑えて、電話計測を行いたい場合に向いています。
また、広告媒体ごとに異なる電話番号となるため、管理の手間がデメリットとなります。
2-2. WEBサイト上の電話番号をセッションごとに切り替えるシステム
セッション単位でサイト上に表示されるコールトラッキング用の電話番号が切り替わるシステムです。
セッション単位で電話番号を切り替えてトラッキングするため、
媒体ごとに電話番号を発行する先ほどのシステムと比較すると、
Webサイトの変更や複製をせずに計測できるのメリットがあり、管理の手間というデメリットが解消されます。
デメリットとしては、セッション単位で表示される電話番号が切り替わるため、セッション数の多いWebサイトでは、多数の電話番号が必要となる点です。
コールトラッキング用の電話番号を複数用意すると、その分費用がかかることになります。
2-3. WEBサイト上の電話番号を設定したルールで切り替えるシステム
システム上で任意のルールを設定し、そのルールに沿ってWebサイト上の電話番号を切り替えてコールトラッキングを行うシステムです。
先ほどの電話番号を切り替えるシステムでは、電話番号を切り替えるのがセッション単位でしたが、
その電話番号切り替えのルールを任意で設定できるものです。
これにより、セッション数が多いサイトでも少ない電話番号でのコールトラッキングが可能です。
デメリットとしては、ツールのシステム上で個別にルールを設定しますが、その内容によっては
上記で紹介した2つのシステムと比較して費用がかかる可能性があることが挙げられます。
3. コールトラッキングツールの選び方
コールトラッキングを行うためには、自社が運用する集客管理システムにコールトラッキングツールを導入する必要があります。
導入するコールトラッキングツールは機能や費用感が自社に合っていることはもちろん、使い勝手のよさも重視することが大切です。
コールトラッキングツールの選び方を4つのポイントに分けて紹介します。
3-1. 自社に必要な機能が備わっているか
コールトラッキングツールはさまざまな機能を持ったツールが登場しています。
中には基本的な機能を備えていないもがあるため、自社に必要な機能が備わっているかの確認は必須です。
コールトラッキングツールに必要な機能としては、下記の5つが挙げられます。
・レポート分析機能
・自動音声応答機能
・発信者番号の表示機能
・通話録音機能
・着信通知機能
とくにレポート分析機能は、webページやweb広告の効果計測・分析を行うために欠かせない機能です。
顧客の流入媒体が分かることはもちろん、広告表示されたページや検索したキーワードも分析できると、広告手法の具体的な評価や改善につなげられます。
3-2. 内容とコストが見合っているか
コールトラッキングツールはサービスごとに料金体系の違いがあり、運用にかかるコストも異なります。
コールトラッキングツールの運用にかかるコストは、主に下記の4つです。
・ツール導入にかかる初期費用
・電話番号の維持費用
・電話番号の追加費用
・1分あたりの通話料金
導入を検討しているコールトラッキングツールの必要最低限な機能を調べて、内容と運用にかかるコストが見合っているかを確認しましょう。
コールトラッキングツールは長期的に運用するツールである点を踏まえて、長期的な視野でコストを考えることが大切です。
年単位のランニングコストは必ず計算して、どのくらいの費用対効果が見込めるかを調査する必要があります。
3-3. 開発企業は日本国内か?それとも海外か?
コールトラッキングツールは日本国内の企業が提供するサービスだけではなく、海外の企業が提供するサービスも存在します。
開発企業の拠点が海外にある場合は、コールトラッキングツールを運用するときに下記のような不便なケースも起こり得るため注意してください。
・マニュアルが日本語に対応していない
・機能や使い方について問い合わせしても回答が遅い
・不具合が発生したときの修正対応が遅い
安心して運用できるコールトラッキングツールを選びたいときは、日本国内の企業が提供するコールトラッキングツールがおすすめです。
サポート体制が充実していて、運用実績も豊富な企業のサービスを利用しましょう。
3-4. 外部ツールと連携が可能か
コールトラッキングツールを導入するときは、自社が集客管理のために導入している外部ツールと連携が可能であることも重要です。
少なくとも下記2つの外部ツールが連携可能であるかは確認しましょう。
・Googleアナリティクスとの連携
・Google広告やYahoo!広告との連携
コールトラッキングツールを外部ツールと連携させるためには、コールトラッキングツールが取得したデータを外部ツールにインポートできる機能が必要です。コールトラッキングツールと外部ツールを連携させることで、データを別々に管理する必要がなくなり、広告効果の評価や分析をスムーズに行えます。
まとめ
コールトラッキングでは電話を通じたコンバージョンの計測が可能であり、webページやweb広告の効果を正しく把握するために役立ちます。
コールトラッキングツールを選ぶときは、必要な機能が備わっていることと長期的な費用対効果を重視し、サポート体制や外部ツールとの連携も確認しておきましょう。
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