広告運用者の仕事内容にはWEB広告の出稿管理や入札単価調整などがあり、広告運用における戦略を左右しています。しかしながら、広告運用者は今後仕事が無くなると囁かれていることを知っているでしょうか。
広告運用者が働くWEBマーケティング業界では新たな技術が次々と登場し、広告運用の自動化ができるAIの導入を行う企業も増えました。当記事では、広告運用者の仕事が無くなると囁かれている理由と将来の展望、広告運用者が今後目指すべきキャリアについて解説します。
目次
1.Webマーケティング職の仕事がなくなると囁かれている理由
広告運用者の仕事が無くなると囁かれている理由は、主にAI(自動化)の発達が近年進んでいるためです。広告運用の分野では、広告効果の予測・分析や入札管理などにAIの導入が行われており、広告運用者の仕事にも変化が見られるようになりました。
総務省による人工知能(AI)の現状と未来:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/pdf/n4200000.pdf
以下では、AI(自動化)の発達と、広告運用者の仕事に見られる変化について解説します。
1-1.AI(自動化)の発達
広告運用におけるAI(自動化)の発達とは、AIによる広告運用の自動化を指しています。とくにビッグデータを活用した分析・評価・提案にAIは強いことが特徴です。
AI(自動化)の発達により、近年の広告運用で自動化が進んでいる仕事を4つ紹介します。
- キーワード抽出の自動化
広告作成の基礎であるキーワード抽出を、AIが自動で行う機能です。Googleが提供するDSA(動的検索広告)が知られており、ユーザーニーズに近いキーワードを発見できます。
- 施策提案の自動化
AIが機械学習のデータをもとにして、文章・画像といった広告の内容や掲載期間・媒体について施策を提案する機能です。データが蓄積するほどに機械学習は進み、広告施策の最適化に役立ちます。
- 入札・予算調整の自動化
自動入札ツールや自動運用ツールにより、広告の入札や予算調整を自動で行う機能です。運用は設定したルールに従って進み、広告運用にかかる工数を大きく減らせます。
- 広告レポート作成の自動化
広告成果についてのレポートを自動作成する機能です。定期的に作成の必要があるレポートを自動作成することにより、広告運用者の業務負担が減ります。
AI(自動化)の発達によって、広告運用者が自分の手で細かく調整する仕事がなくなり、業務負担を減らせるようになりました。
しかし、AIによる広告運用の自動化が進んだことによって、将来的に広告運用が完全に自動化される可能性を考える人も少なくありません。近年はAIの発達によって無くなる仕事についての情報が数多く出回っており、AIとのかかわりが増えている広告運用者も仕事が無くなるのでは、と囁かれています。
総務省による人工知能(AI)の進化が雇用等に与える影響:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/pdf/n4300000.pdf
2.広告運用者の仕事は無くならない
AIによる広告運用の自動化が進んだことで、広告運用者の仕事は無くなるのでしょうか。答えは「広告運用者の仕事は無くならない」です。AI(自動化)の発達は今後も続くことは予測されるものの、広告運用者の仕事内容は無くなりません。
以下では、広告運用者の仕事は無くならないと言える理由を2つの観点から解説します。
2-1.広告運用者の仕事は幅が広がっていく
広告に関連する業務は多岐にわたり、AIによる自動化ができない業務も少なくありません。広告運用者は、「自動化ができる業務」はAIに委ねて、空いた時間で「自動化ができない業務」を行うことで、仕事の幅を広げられます。
広告運用者が仕事の幅を広げられる「自動化ができない業務」は、主に下記の2つです。
- アカウント構成
アカウント構成では、キーワードと広告をまとめた広告グループを作成し、キャンペーンで予算・配信期間・エリアを指定します。アカウント構成は商品・サービスやユーザーを正しく理解し、柔軟な対応が必要であるため、自動化が難しい業務です。近年はAIが機械学習を進められるアカウント構成を行えることも重要視されています。
- クリエイティブ制作
クリエイティブ制作では、広告用の動画・画像を制作します。クリエイティブ制作はセンスが問われる仕事であり、自動化が難しい業務です。
また、広告戦略の検討・決定や、広告運用について社内外の相手と行うマーケティング提案も、AIによる自動化はできません。広告運用者は自動化ができない業務を中心に仕事の幅を広げることで、AIを活用する働き方ができます。
2-2.「時間」に価値がある
広告運用者として働くことで、広告運用を中心とした広告に関連する業務の知識・ノウハウが身に着きます。WEB上での広告運用は今後も続く業務であり、身に着いた知識・ノウハウは広告運用者にとって将来まで役立つ強みです。
たとえばWEB広告の運用を始めたばかりの企業では、広告運用に試行錯誤して無駄な時間を費やしてしまいます。経験豊富な広告運用者に広告運用を依頼すれば、試行錯誤する時間を短縮して、高い成果を期待できます。
広告運用を始めてから成果が出るまでの時間を短縮できることは、広告運用者という仕事の大きな武器です。企業にとって、依頼することで時間を無駄にせず、専門的な知識・ノウハウを利用できる広告運用者の存在は、今後も広告運用で重要な位置を占めると言えます。
3.広告運用者のこれからのキャリア・スキル
広告運用者の仕事はAIの発達では無くならないものの、全く安泰というわけではありません。広告運用の業務に携わる人数は今後も増えてゆき、新たな技術の導入も考えられます。広告運用者として今後も活躍するためには、着実にキャリアを積むことが大切です。
最後に、広告運用者が目指すべきこれからのキャリアを2つ紹介します。
3-1. マネジメント職を目指す
広告運用者としてのキャリア価値を高めるためには、マネジメント職を目指すことがおすすめです。広告運用者が目指すマネジメント職としては、下記の職位が挙げられます。
- チームリーダー
- マネージャー
- ブランドマネージャー
広告運用チームにおいて、チームリーダーは各メンバーの業務分担や進行管理を行い、マネージャーはメンバーの教育やマネジメントを行います。ブランドマネージャーは広告運用も含めたマーケティングチームを統括し、経営者的視点も求められるマネジメント職です。
一人の広告運用者からマネジメント職にキャリアアップすることで、より多くの広告に関連する業務に携わることができます。責任の重さも伴うものの、仕事の幅を広げられることが、広告運用者がマネジメント職を目指すメリットです。
3-2. 幅広い知識・スキルを身に着ける
広告運用者が仕事の幅を広げるためには、幅広い知識・スキルを身に着けることが欠かせません。広告運用者は下記の知識・スキルを身に着けて、キャリアを伸ばしましょう。
- AIによる自動化ができない業務の知識・スキル
アカウント構成・クリエイティブ制作や広告戦略・提案など、AIによる自動化ができない業務の知識・スキルを身に着けることで、仕事の幅を広げられます。AIは今後も発達が予測されているため、AIを活用できるように仕組みや機械学習についての理解を深めることも大切です。
- マネジメント職に必須のマネジメント力
マネジメント職を目指すことも視野に入れて、広告運用のマネジメント職に必須のマネジメント力を身に着けましょう。集団をまとめるコミュニケーション力やリーダーシップ、社内外の交渉をスムーズに進められる合意形成力が、広告運用のマネジメント職には必要です。
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まとめ
近年はAIによる広告運用の自動化が話題です。しかし、広告運用には自動化できない業務があり、広告運用者の仕事は幅が広がっています。広告運用者に依頼すると広告運用にかかる時間も短縮できるため、広告運用者の仕事は無くなりません。
広告運用者が目指すべきキャリアとしては、マネジメント職になることや、仕事の幅の広がりに対応できる知識・スキルを身に着けることが挙げられます。
実績豊富な広告運用者は、時代に合わせたスキルを身に着けていることが特徴です。WEB広告を始めるときは、広告運用をプロに任せるのはいかがでしょうか。