Google広告を運用すると、Googleのサービスを利用するユーザーに商品・サービスの広告を表示できます。Google広告を通して、商品・サービスのより詳細な情報をユーザーに伝えたい広告主も多いのではないでしょうか。
Google広告に表示する情報を増やしたいときに、おすすめの機能が「広告表示オプション」です。当記事ではGoogle広告オプションとは何かと、全12種あるオプションの特徴と表示イメージ、費用などを解説します。
目次
Google広告のアセット(旧:広告表示オプション)とは?メリットは?
広告表示オプションとは、Google広告の広告文とは別に、商品・サービスにかかわる情報を表示できる機能です。広告表示オプションで表示できる情報の例としては、サイトリンク・画像・電話番号などが挙げられます。広告表示オプションを利用する主なメリットは、広告の画面占有率が増えることによる視認性とクリック率の向上です。
表示する情報によっては、ユーザーからの問い合わせやWEBサイトのコンバージョンが増えるメリットも期待できます。
アセット(広告表示オプション)の設定方法
広告表示オプションの基本的な設定は、下記の流れで行ってください。
(1)Google広告の管理画面を開き、左メニューの「広告とアセット」を選択する
(2)「アセット」を選択する
(3)青色の「+」ボタンをクリックして、表示するアセットの種類を選択する
(4)アセットの設定を行う
各アセットの設定を行うと、選択したアセットが有効になります。
アセット(広告表示オプション)が表示される仕組みと表示されないときの対処法
広告表示オプションが表示されるためには、広告自体が2つの条件を満たしている必要があります。
・広告の掲載順位が十分に上位である
上記の条件を満たしたときに、成果の向上が見込めるオプションがランダムに選択されて、広告に付随して表示される仕組みです。
よって、「広告表示オプションが表示されない」といった場合は、広告ランクが高まるよう、検索語句と広告文の関連性が高まるように広告文を変更したり、掲載順位が上位になるよう入札金額を高めに設定したりすることで、広告表示オプションが表示されやすくなります。
広告表示オプションの種類一覧 ~特徴と表示イメージ~
Google広告で利用できる広告表示オプションは全12種類です。各広告表示オプションはそれぞれ異なる機能があり、オプションを利用するときの設定要件や広告上の掲載位置にも違いがあります。
広告表示オプションを有効に活用するためには、それぞれの特徴を踏まえて運用することが重要です。以下では、各広告表示オプションの特徴と表示イメージを解説します。
サイトリンク表示オプション
サイトリンク表示オプションとは、広告に本来設定しているURLリンクとは別に、サイト内の特定ページへのリンクを追加表示できるオプションです。サイトリンク表示オプションで追加表示したリンクには、リンク1つにつき説明文を2つまで設定できます。ユーザーに追加表示されたリンクをクリックさせて、ユーザー自身が興味関心のあるページへ直接誘導できることがメリットです。
サイトリンク表示オプションの設定要件は下記の通りです。
文字数制限 | リンクテキスト:半角25文字/全角12文字以内 説明文1:半角35文字/全角17文字以内 説明文2:半角35文字/全角17文字以内 |
掲載に必要な設定数 | リンクテキスト:2個 |
最大表示数 | パソコン6個 |
登録の上限数 | 20個 |
Google広告ヘルプ:サイトリンク表示オプションについて
コールアウト表示オプション
コールアウト表示オプションとは、広告の説明文に、商品・サービスの特徴やメリットに言及するコールアウト(呼び掛け)を含める機能です。
たとえばECサイトであれば、「送料無料」「新商品続々追加」などのコールアウトを設定しておくことで、広告表示時にユーザーを引きつけられます。
コールアウトの表示期間や曜日・時間帯は指定可能です。適切なフレーズでユーザーにアピールできることが、コールアウト表示オプションのメリットと言えます。
コールアウト表示オプションの設定要件は下記の通りです。
文字数制限 | 半角25文字/全角12文字以内 |
掲載に必要な設定数 | 2個 |
最大表示数 | 10個 |
登録の上限数 | 20個 |
また、コールアウト表示オプションでは、アカウント・キャンペーン・広告グループの各単位でコールアウトを追加できます。たとえばアカウント単位でコールアウトを追加すれば、アカウントが管理している全ての広告グループでコールアウトが表示される仕組みです。
Google広告ヘルプ:コールアウト表示オプションについて
構造化スニペット表示オプション
構造化スニペット表示オプションとは、広告の説明文に、商品・サービスの内容やラインナップに言及するスニペット(短い説明文)を含める機能です。
構造化スニペット表示オプションで表示するスニペットは、「ヘッダー」と「値」で構成されています。ヘッダーとは見出しのことで、値はヘッダーに対応した内容のことです。ヘッダーで説明する方向性を示し、値で説明を行います。
構造化スニペット表示オプションの設定要件は下記の通りです。
文字数制限 | 値:半角25文字/全角12文字以内 |
掲載に必要な設定数 | 値:4個 |
最大表示数 | パソコン:ヘッダー 2個 モバイル・タブレット:ヘッダー1個 ※値の表示数は変動があります |
登録の上限数 | 値:10個 |
構造化スニペット表示オプションの設定では、ヘッダーはGoogleが用意する13種類のカテコリから選択します。自社の商品・サービスに合ったヘッダーを選択して、値には簡潔な文言を設定してください。
Google広告ヘルプ:構造化スニペット表示オプションについて
画像表示オプション
画像表示オプションとは、広告の右側に画像を表示する機能です。
広告に画像を表示することで、ユーザーに商品・サービスのイメージを視覚的に伝えられます。画像付きの広告は視認性がよいことも、画像表示オプションのメリットです。
画像表示オプションで設定する画像は何でもよいわけではなく、広告と関連性が高い画像を使用する必要があります。
画像表示オプションの設定要件は下記の通りです。
アスペクト比 | 必須:スクエア(1×1) 任意:横向き(1.91×1) |
ファイル形式 | PNG、JPG、静止GIF |
解像度 | スクエア:最小ピクセル数300×300/推奨ピクセル数1,200×1200 横向き:最小ピクセル数 600×314/推奨ピクセル数1,200×628 |
最大ファイルサイズ | 5,120KB |
また、ユーザーが画像の内容を把握しやすいように、重要なコンテンツは画像の中央80%に配置することが推奨されています。
Google広告ヘルプ:画像表示オプションについて
電話番号表示オプション
電話番号表示オプションとは、電話番号を広告に表示する機能です。モバイル端末では通話ボタンも表示します。
ユーザーは通話ボタンを押すことで、広告を出している店舗・事業所に直接電話をかけられます。電話によるユーザーからの問い合わせを促進できることが、電話番号表示オプションのメリットです。
また、電話番号表示オプションは電話による問い合わせに適した設定も行えます。電話番号表示オプションの成果測定ができる通話レポートや、通話をコンバージョンにカウントするかの選択などが設定可能です。電話による問い合わせが多い飲食店や病院、鍵閉じ込め・水回りなどの緊急サービスに適したオプションと言えます。
ただし、電話番号表示オプションで設定する電話番号は、下記の条件を満たさなければなりません。
・Googleが確認できる電話番号である ・不正確もしくは無効な電話番号ではない |
Google広告ヘルプ:電話番号表示オプションについて
リードフォーム表示オプション
リードフォーム表示オプションとは、問い合わせや申込ができる入力フォームを広告に表示する機能です。ユーザーが広告から問い合わせ可能にすることで、見込み客の獲得につながります。
リードフォーム表示オプションでは、ユーザーに表示される入力フォームの形式に合わせて、3段階の設定をしなければなりません。各段階の設定要件などを紹介します。
- リードフォームの設定
広告見出し | 半角30文字/全角15文字以内 |
ビジネスの名前 | 半角25文字/全角12文字以内 |
説明 | 半角200文字/全角100文字以内 |
質問 | ユーザーに記入してほしい質問を1つ以上選択 |
プライバシーポリシーのURL | サイトのプライバシーポリシーページに移動するURLを入力 |
背景画像の解像度/アスペクト比 | 1,200×628/1.91:1 |
- リードフォーム送信後のメッセージの設定
広告見出し | 半角30文字/全角15文字以内 |
説明 | 半角200文字/全角100文字以内 |
行動を促すフレーズ | プルダウンで5個の選択肢から選択可能 |
行動を促すフレーズのURL | 「行動を促すフレーズ」のクリック時に移動するURLを入力 |
- 広告用の行動を促すフレーズ
行動を促すフレーズ | プルダウンで12個の選択肢から選択可能 |
行動を促すフレーズの説明 | 半角30文字/全角15文字以内 |
リードフォーム表示オプションを通して収集されたデータはGoogle広告側で30日間保存され、CSVファイルでダウンロードができます。
Google広告ヘルプ:リードフォーム表示オプションについて
住所表示オプション
住所表示オプションとは、広告の説明文下部に、会社の住所などを表示する機能です。住所表示オプションを有効にすると、住所のほかに下記の情報が表示されることもあります。
・会社やサービス拠点までの距離(モバイルのみ) ・電話番号 ・通話ボタン(モバイルのみ) ・住所がある場所のGoogleマップ ・営業時間 など |
住所表示オプションは検索結果上で実店舗の情報をアピールして、ユーザーに来店を促せることがメリットです。
また、住所表示オプションは下記の配信面で表示されます。
・Google検索 ・Googleマップ ・Googleディスプレイ広告 ・Youtube動画広告 |
多くの配信面で表示できる住所表示オプションは、実店舗のあるビジネス形態であれば活用しやすいオプションです。
Google広告ヘルプ:住所表示オプションについて
アフィリエイト住所表示オプション
アフィリエイト住所表示オプションとは、広告の説明文下部に、自社の商品を販売している最寄りの小売チェーン店を表示する機能です。
たとえば洋服のメーカーがアフィリエイト住所表示オプションを利用した場合、ユーザーには自社メーカーの洋服を販売している最寄りの店舗が広告に表示されます。購買意欲があるユーザーの商品購入をサポートできることが、アフィリエイト住所表示オプションのメリットです。
また、アフィリエイト住所表示オプションは下記の配信面で表示されます。
・Google検索 ・Googleディスプレイ広告 ・Youtube動画広告 |
アフィリエイト住所表示オプションを利用するときは、選択できる小売チェーン店が限られている点に注意してください。2021年11月時点では一般小売店または自動車ディーラーのどちらかを選択できます。
Google広告ヘルプ:アフィリエイト住所表示オプションについて
価格表示オプション
価格表示オプションとは、広告の説明文下部に、商品・サービスの価格を表示できる機能です。ユーザーが興味関心を持ちそうな商品・サービスの価格を表示することで、広告のクリックを促せます。
価格表示オプションを設定するときは、商品名を示す「ヘッダー」、商品説明の「説明文」と「価格」「URL」の入力が必要です。ヘッダー・説明文・価格・URLのセットは「カード」と呼ばれ、広告は複数のカードを組み合わせて表示します。
価格表示オプションの設定要件は下記の通りです。
文字数制限 | ヘッダー:半角25文字/全角12文字以内 説明文:半角25文字/全角12文字以内 |
掲載に必要な設定数 | カード:3個 |
カードの最大表示数 | ※デバイスの画面サイズによって変動します |
登録の上限数 | カード:8個 |
価格表示オプションは、パソコンとモバイルとで広告の表示方法が異なります。パソコンでは横一列に表示する形式に対し、モバイルではカルーセルを展開して横にスライド表示する形式です。
Google広告ヘルプ:価格表示オプションについて
アプリリンク表示オプション
アプリリンク表示オプションとは、広告の説明文下部に、モバイルアプリのダウンロードページへのリンクを表示できる機能です。ユーザーをアプリストアへ誘導して、商品購入につなげられます。
アプリリンク表示オプションでは、表示するダウンロードページのプラットフォームを「Android」「IOS」の2つから選択可能です。両方のプラットフォーム用にオプションを1つずつ作成した場合は、ユーザーの端末に合わせて適切なリンクが表示されます。
アプリリンク表示オプションの設定要件は下記の通りです。
文字数制限 | リンクテキスト:半角25文字以内 |
掲載に必要な設定数 | 1個 |
アプリリンクの最大表示数 | 1個 |
アプリリンク表示オプションは、Webサイト上のコンバージョンだけではなく、アプリでの購買手段も用意している人に適しています。
Google広告ヘルプ:アプリリンク表示オプションについて
プロモーション表示オプション
プロモーション表示オプションとは、広告の説明文下部に、セール情報や特別なオファーを表示できる機能です。プロモーション表示オプションの対象はGoogle検索結果の最上部か最下部に表示される広告のみであり、検索ユーザーに対して強く訴求できます。
プロモーション表示オプションは、表示期間や割引額・割引率、割引適用条件などを自由に設定できることが特徴です。とくに表示期間は指定する以外に、30以上の年中行事から選択もできて、季節感のあるプロモーションをユーザーに届けられます。
プロモーション表示オプションの設定要件は下記の通りです。
文字数制限 | 年中行事:※任意選択 アイテム:半角20文字/全角10文字以内 |
掲載に必要な設定数 | 1個 |
最大表示数 | 1個 ※最大2行で表示されます |
Google広告ヘルプ:プロモーション表示オプションを使用する
販売者評価表示オプション
販売者評価表示オプションとは、ユーザーから受けた販売者評価を広告に表示できる機能です。販売者評価は、Googleカスタマーレビューなどの提供元から収集されたデータに基づき算定されています。
販売者評価オプションで表示される情報は、主に下記の3つです。
・5つ星評価 ・ユーザーに評価された数(括弧内に表示される数字) ・評価された理由のハイライト表示 |
販売者評価表示オプションは自動で表示されるオプションであり、手動で設定する必要はありません。ただし、販売者評価表示オプションが表示されるためには下記の要件を満たしている必要があります。
・投稿された有効なレビューの件数が100件以上ある ・レビューの総合評価が星3.5以上に達している ・広告の表示URLのドメインが、Googleが評価を付けたドメインと一致している |
Google広告ヘルプ:販売者評価の広告表示オプションについて
費用について(課金について)
広告表示オプションを設定・有効化したことによる追加の費用は発生しません。
ただし、広告表示オプション部分がクリックされた場合は、通常の広告と同様に課金が発生します。
なお、広告表示オプションがクリックされた場合でも、下記のケースでは課金が発生しません。
1回の広告表示で3回以上のクリックがあった
1回の広告表示では、広告本体と広告表示オプションを合わせても課金が発生するクリックは2回分までです。3回目以降のクリックに対する課金は発生しません。
販売者評価表示オプションがクリックされた
販売者評価表示オプション部分のクリックは課金が発生しません。
モバイルのユーザーが価格表示オプションのプルダウンをクリック
モバイルで利用できる価格表示オプションのプルダウンは、クリックされても課金が発生しません。
まとめ
Google広告では、広告文に商品・サービスの追加情報を掲載できる広告表示オプションが用意されています。広告表示オプションは有効化しても追加の費用が発生せず、豊富な機能で訴求力の高い広告を打てることがメリットです。
広告表示オプションは全12種があり、機能の特徴や向いているビジネス形態などはそれぞれ異なることを押さえておきましょう。キャンペーン毎の訴求やターゲットに合わせてオプションを作成することが重要と、弊社では考えております。