リスティング広告は、ユーザーの検索した語句に連動して広告を配信する手法です。
そこで、どのような検索語句に対して広告配信をするのかを「キーワード」とキーワード毎に指定する「マッチタイプ」を使って設定していきます。
マッチタイプとは、キーワードと検索語句がどの程度一致すれば広告オークションに参加するのかを指定するものです。
また、広告オークションに参加には「類似パターン」という機能も影響しています。
さらに、広告費を使用したくない検索語句がある場合は、除外キーワードを用いますが、除外キーワードにもマッチタイプが存在し、検索キーワードのマッチタイプとは仕様が異なります。
本記事では、これら広告オークション参加に影響する項目を紹介します。
1.検索キーワードのマッチタイプ
検索キーワードのマッチタイプには、完全一致・フレーズ一致・部分一致の3種類があります。
Google広告の管理画面上の検索語句レポートでは、どのキーワードのどのマッチタイプでその検索語句に広告が表示されたかを確認することができます。
下記では、Google広告のヘルプを参照するだけでなく、上記「検索語句レポート」にて表示されるマッチタイプを元に、実際にどのような挙動になっているかも見ていきます。
完全一致
キーワードとまったく同じ意味または意図の検索が、広告の表示対象となります。
Google広告ヘルプ
Google広告のヘルプには上記のように記載されていますが、検索語句レポートにて、マッチタイプが「完全一致」となっている検索語句を確認すると、キーワードと全く同じ検索語句のみとなっていますので、実際のところは、「キーワードと全く同じ検索語句が広告の表示対象」なのだと推測されます。
キーワードを[]で囲うことで、完全一致のキーワードということを表します。
フレーズ一致
キーワードと同じ意味の内容を含む検索が広告の表示対象になります。
Google広告ヘルプ
Google広告のヘルプには上記のように記載されていますが、検索語句レポートにて、マッチタイプが「フレーズ一致」となっている検索語句を確認すると、キーワードと同じ語順かつ、キーワードを含む検索語句のみとなっていますので、実際のところは、「キーワードと同じ語順かつ、キーワードを含む検索語句が広告の表示対象」なのだと推測されます。
キーワードを””で囲うことで、フレーズ一致のキーワードということを表します。
部分一致
指定したキーワードに関連する内容の検索が広告の表示対象となります。
Google広告ヘルプ
部分一致に関しては、Google広告のヘルプの記載のとおりの検索語句が検索語句レポートに並びます。
指定したキーワードに関連する内容の検索とは、例えば、自社名をキーワードとして設定している場合は競合他社名、「ローン 審査」をキーワードとして設定している場合は「〇〇 ローン 金利 安い」といった検索語句までもが広告の表示対象となります。
キーワードに何も記号を付けないことで、部分一致のキーワードということを表します。
2.キーワードの類似パターン
上記では、検索語句レポートと照らし合わせて、各マッチタイプの実際の挙動を確認しました。
実際に管理画面を見ている方は、上記のマッチタイプに混じって、「類似パターン」と書かれているものが見つかるかと思います。
それこそが、以下でご紹介する「キーワードの類似パターン」です。
キーワードの類似パターンとは、設定したキーワード×マッチタイプでは、広告の表示対象ではない検索語句でも、検索意図が同じで類似している検索語句であれば、広告の配信対象となる仕様のことです。
「検索意図が同じで類似している検索語句」とは
例えば、送り仮名の違い(「振り込み」と「振込」)、助詞の省略(「男性用の靴」と「男性用 靴」)、同じ意味の語句(「無料素材」と「フリー素材」)等の事です。
これらの検索語句の微差を網羅するために多数のパターンのキーワードを設定する手間が省けるため、
「キーワードの類似パターン」は便利な仕様となっています。
それでは、「キーワードの類似パターン」では、どのような検索語句に広告配信の拡張がされるのかを見ていきましょう。
完全一致(類似パターン)
下記を考慮に入れた場合に設定したキーワードと同じと判断できる検索語句に広告表示されます。
類似パターン | キーワードと広告表示される検索語句の例 |
---|---|
誤字 | [訪問歯科]と「訪問鹿」 |
表記ゆれ | [振り込み]と「振込」 |
語順違い(意味は同じ) | [靴 女性用]と「女性用 靴」 |
助詞・接続詞の有無 | [女性用の靴]と「女性用 靴」 |
省略表現 | [ステレオ用ヘッドセット]と「ステレオヘッドセット」 |
類義語・言い換え | [スイムウェア]と「水着」 |
検索意図が同じ | [無料素材 画像]と「フリー素材 画像」 |
様々なパターンがありますが、要は「設定したキーワードと表記は違うけど、同じものを検索してるよね」といった検索語句にも広告配信を拡張してくれているのです。
フレーズ一致(類似パターン)
下記を考慮に入れた場合に設定したキーワードとフレーズ一致する検索語句に広告表示されます。
類似パターン | 例 |
---|---|
誤字 | “訪問歯科”と「近くの訪問鹿」 |
表記ゆれ | “バイト 住み込み”と「バイト 住込 関西」 |
語順違い(意味は同じ) | “赤い シューズ”と「ランニングシューズ 赤」 |
助詞・接続詞の有無 | “女性用の靴”と「女性用 靴 セール」 |
省略表現 | “ステレオ用ヘッドセット”と「ステレオヘッドセット セール」 |
類義語・言い換え | “スイムウェア”と「赤い水着」 |
検索意図が同じ | “無料素材 画像”と「フリー素材 野球の画像」 |
完全一致の類似パターンと比べると、一見分かりにくいですが、例えば、”バイト 住み込み”と「バイト 住込 関西」の例であれば、キーワードの「住み込み」と検索語句の「住込」は表記ゆれの類似パターンであるため、”バイト 住込”と、送り仮名無しでキーワード設定しているかの如く、「バイト 住込 関西」の検索語句にも広告表示されるのです。
3.除外キーワードのマッチタイプ
ここからは除外キーワードのマッチタイプについてです。
検索キーワードと同じく、完全一致、フレーズ一致、部分一致の3種類があります。
また、それぞれを表す記号も、検索キーワードと同じです。
しかし、類似パターンに拡張して除外してくれる機能がなかったり、マッチタイプの意味も検索キーワードと異なったりするので、以下で正しく理解して使用するようにしましょう。
完全一致
設定した除外キーワードと全く同じ検索語句の場合のみ、広告を表示しないようになります。
例えば、[ランニングシューズ]を除外設定した場合は、「ランニングシューズ」という検索語句のみ広告が表示されなくなり、語順の違う「シューズ ランニング」や、別の語句を含む、「青 ランニングシューズ」といった検索語句には広告が表示されます。
フレーズ一致
設定した除外キーワードが同じ語順で含まれる検索語句に、広告を表示しないようになります。
例えば、”青 ランニングシューズ”を除外設定した場合には、「青 ランニングシューズ」や「青 ランニングシューズ 安い」という検索語句には広告が表示されなくなる一方、「ランニングシューズ 青」といった語順が逆の検索語句や、「青のランニングシューズ」といった語順は同じものの間に別の語句が含まれる検索語句には、広告が表示されます。
部分一致
設定した除外キーワードに含まれるすべての語句が使用された検索語句に、広告を表示しないようにします。
このとき語順は問いません。
例えば、青色 ランニングシューズを除外設定した場合には、「青色 ランニングシューズ」「ランニングシューズ 青色」「青色のランニングシューズ 安い」といった検索語句には広告が表示されなくなります。
一方で、「青 ランニングシューズ」は、広告の表示対象です。
4.まとめ
以上、検索キーワードのマッチタイプ、類似パターン、除外キーワードのマッチタイプについて紹介いたしました。
仕様を正しく理解して、ご自身の意図した検索語句に広告配信ができるように設計しましょう。
Google広告等のリスティング広告についてのご相談がある方は下記ボタンよりお問い合わせいただけますと幸いです。