2023.02.092024.02.01

リスティング広告の予算の決め方

リスティング広告は予算を自由に設定できるため、気軽に始めやすいのがメリットの一つです。
その反面、「自由に設定できるとはいえ、成果を出すには結局どれくらい投資すればいいのか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、「リスティング広告の予算の決め方」についてご紹介します。

1.リスティング広告の予算の決め方はシミュレーションがおすすめ

「リスティング広告の予算の決め方」はズバリ、「欲しい成果数をシミュレーションに当てはめて逆算する」です。
ピンと来なかった方もまずは下記の図をご覧ください。この図は、成果を獲得するまでの流れを示しています。
逆算するために必要な数字を設定すると、必要な予算が算出される訳です。

 

まず、以下でシミュレーションに必要な各要素について「広告で求める成果」に近い方から詳しく見ていきましょう。

2.リスティング広告の費用を算出するためのシミュレーションに必要な各要素

2-1. リスティング広告で求める成果(目標)率

WEB上でのコンバージョン=広告で求める成果の場合(ECサイトでの購入等)を除けば、考慮に入れなければいけない項目です。
よくある例でいうと、WEB上でのコンバージョンが「メールフォームや電話でのお問い合わせ」で、広告で求める成果が「契約」。
「お問い合わせ」してくださった方が、実際に「契約」に至る率をこれまでの実績から算出する必要があります。
まだ実績がない場合については、まずは30%でシミュレーションしてみましょう。

2-2. コンバージョン率

コンバージョン数を広告がクリックされた回数で割った値のことです。
どんなキーワードで、どのような広告文を配信し、どのような訴求のランディングページを読んでもらうのか、によって大きく変動する値です。
もちろん、商材やコンバージョン自体の内容によっても変動します。
上記のような「メールフォームや電話でのお問い合わせ」では、0.1~1%に収まることが多いです。

2-3. 相場のクリック単価(入札価格)

リスティング広告の費用が発生するのは、広告がクリックされたときです。
つまり「予算」をシミュレーションするために最も重要なファクターがこの「クリック単価」です。
後述するキーワードプランナーを利用し、設定したいキーワードの入札単価を調査した上で、シミュレーション用の数値を設定します。

2-4. クリック率

クリック数を広告が表示された回数で割った値のことです。
コンバージョン率と同様、キーワード・広告文・商材によって変動します。
4%~8%を目安にシミュレーションしてみましょう。

2-5. 表示回数

広告が表示された回数のことです。予算を決めるだけなら、クリック単価まであればシミュレーションできるのですが、
そもそも検索される回数が少なければ、広告表示させることができません。
そこで、クリック単価と同様、キーワードプランナーを利用して、
設定したいキーワードの月間平均検索ボリュームを調査し、無理のないシミレーションになっているかどうかを検討する必要があります。

3. キーワードプランナー

Google広告アカウントを開設していれば、「キーワードプランナー」というツールが利用可能です。
各検索語句の月間平均検索ボリュームや入札単価の目安を調べることができます。

Google広告管理画面右上の[ツールと設定]>[キーワードプランナー]からアクセスしましょう。

月間平均検索ボリュームは、該当の検索語句が過去1年間に検索された数を月平均で示したものです。
季節によって検索ボリュームの変動が大きい検索語句(たとえば、扇風機)の場合は、月によってどれくらい振れ幅があるのかもチェックしておくとよいでしょう。

月間平均検索ボリュームの数だけ広告表示できたと仮定すると、
月間平均検索ボリューム=表示回数となります。(実際オークションなどがあるので、ここまで単純ではありませんが)

入札単価の目安については、
ページ上部に掲載された広告の入札単価(低額帯)
ページ上部に掲載された広告の入札単価(高額帯)の2つの値が表示されますが、
私は、これらを足して2で割った単価を参考にしています。

4. いざ!シミュレーション

さて出そろった要素を元にシミュレーションしていきましょう。
具体例があった方が分かりやすいと思いますので、
5月に業務用扇風機に関するお問い合わせ獲得をリスティング広告で行い、営業が商談して成約に繋げる場合を例にとりながら見ていきます。

シミュレーションに数値を下記のように設定します。
欲しい成約数       :1件
お問い合わせ獲得から成約率:50%
コンバージョン率     :1%
クリック単価       :45円
(キーワードプランナーの低額帯、高額帯の平均値)
クリック率        :5%

そして、下記のように逆算していきましょう。
欲しい成約数(1件)       ÷ 成約率(50%)         = 必要なコンバージョン数(2件)
必要なコンバージョン数(2件)         ÷ コンバージョン率(1%)   = 必要なクリック数(200クリック)
必要なクリック数(200クリック)    × クリック単価(45円)             = 必要な予算(9,000円)

最後に月間平均検索ボリュームを参考にして、シミュレーションで示されている必要なクリック数を獲得するのに妥当な広告表示回数を得られるかどうかも確認します。
「業務用扇風機」の昨年5月の月間検索ボリュームは5,400でした。
5,400すべてに広告表示できたとすると
表示回数(5,400)×クリック率(5%)=270クリック
となり、必要なクリック数(200クリック)をカバーできているため、問題なさそうです。
必要なクリック数が上回ってしまう場合は、別のキーワードを追加することを検討する必要があります。

5. まとめ

以上のように、
リスティング広告の予算を決める場合は、欲しい成果数をシミュレーションに当てはめて逆算する、という方法が手堅いです。
ご自身で「シミュレーションを組み立てられない!」といった場合は、ぜひ弊社までご相談下さい!

また、直感的に予算を決める場合は、
「失敗しても問題ない金額の最大値」で設計すると、
リスティング広告の長所である、「蓄積されたデータを確認し、最適化していく」ことが進めやすくなります。

本記事をお読みいただいているアナタの
リスティング広告の予算決めの一助になれば幸いです。

 

この記事を書いた人

nakase

入社4年目。WEB広告プランナーの中瀬です。WEB解析士。兵庫県宝塚市出身。1992年生まれ。 前職では求人メディアの営業を経験し、今はリスティング広告を中心にWEB広告の運用に携わるチームのリーダーです。また、弊社のSEO対策も兼務し、記事の執筆も担当しております。文字に起こすことで理解の解像度も上がり、刺激的な毎日です。日々の気づきを、お客様の成果に繋げられるようなアイデアに昇華できるよう努力します!twitterも更新中!趣味・嗜好は、アコギ(習いに通っています)、スポーツ観戦(Bリーグの中継をよく見ます)、ゲーム、お酒、アイドルのライヴ観戦、etc.