2024.07.172025.03.05

ドメイン移管・サーバー移転とは?手順・方法を解説

ドメイン移管・サーバー移転とは?手順・方法を解説Webサイトの運営を行っていると、ドメインの費用を抑えたり、ドメインの管理を楽にしたりしたい場面やWebサイトのトラフィックが増えてきたことにより、サーバーを変更したい場面が出てくるかもしれません。
そんなときにドメイン移管・サーバー移転を検討することがありますが、本記事ではその手順や方法を解説していきます。

サーバー・ドメインとは?

サーバー・ドメインとは?
ドメイン移管・サーバー移転について説明する前に、そもそもサーバーやドメインとは何なのか、おさらいしておきましょう。

サーバーとは

サーバーは、我々が普段仕事で使用するパソコンなどと同じく、コンピューターの一種です。
サーバーを英語で書くと、server(=サービスを提供するもの)ですので、
何らかのサービスを提供するコンピュータのことを「サーバー」といいます。
例えば、仕事でパソコンを使って情報を検索しWebサイトを表示することがありますが、
パソコンから「Webサイトを表示したい」というリクエストを受けて、実際にそのWebサイトの情報をそのパソコンに送信する役割を担っているのが「サーバー」です。

ドメインとは


ドメインとは、簡潔に言えば、インターネット上の住所のようなもので、ユーザーが特定のウェブサイトやオンラインサービスにアクセスするための名前です。

詳細に説明しますと、Webサイトの場所を表す情報は、ドメインに紐づく「IPアドレス」に記載されています。
上記の「ドメイン=インターネット上の住所」というたとえ話になぞらえると、
IPアドレスはインターネット上の緯度経度情報と例えることができるでしょう。

普段我々は、自宅や職場・行きたいお店の場所を緯度経度情報を使って表すのではなく、住所を使って表すように
Webサイトの場所を表す場合に分かりやすくするためにドメインを使うのです。

サーバー移転・ドメイン移管とは?

サーバー移転・ドメイン移管とは?
サーバーとドメインについて、おさらいしました。
サーバー移転とドメイン移管の手順・方法について説明する前に、サーバー移転・ドメイン移管とは何かも確認しておきましょう。

サーバー移転とは

Webサイトを表示するためのリクエストに応えて、Webサイトの情報をリクエストしてきた端末に送信するコンピュータのことを「サーバー」ということは上述の通りです。
よって、サーバー移転とは、このコンピュータを別のサーバーに変更することを指します。
今までより多くのアクセスにも対応するためなどに、サーバー移転をすることがあります。

ドメイン移管とは

ドメインの管理会社を変更することを「ドメイン移管」と言います。
例えば、メールサービスなどドメインに関連する様々なサービスを一元管理するために、ドメインを統合したり、
現在のドメイン管理会社の契約終了や価格変更のタイミングで、新しい管理会社に変更したりする場合に、ドメイン移管を行うことがあります。

サーバー移転・ドメイン移管のパターンを紹介

サーバー移転・ドメイン移管のパターンを紹介
サーバー移転・ドメイン移管には、下記の3パターンがあります。

  • サーバーのみの移転
  • ドメインのみの移管
  • サーバーとドメインの両方を移行

サーバー移転する場合、ドメイン移管も行う必要があるわけではないことがポイントです。

サーバーのみの移転

サーバー移転のみを行い、ドメイン管理会社は変更しないパターンです。
ドメインの管理会社とサーバーの変更は直接関係はないため、ドメインを合わせて変更する必要はありません。

ドメインのみの移管

ドメイン移管のみを行い、サーバー会社は変更しないパターンです。
こちらもドメインの管理会社とサーバーの変更は直接関係はないため、サーバーを合わせて変更する必要はありません。

サーバーとドメインの両方を移行

ドメイン管理会社とサーバー会社の両方を移行するパターンです。
上述の通り、両方を合わせて変更する必要はありませんが、これらを見直すタイミングで同時に移行する場合もあるでしょう。

サーバーのみの移転手順と注意点

サーバーのみの移転手順と注意点
サーバー移転のみを行う場合の手順と注意点をご紹介いたします。

サーバーのみの移転手順

大きく8つの工程があります。

①併用期間の確認

サーバー移転を行う場合は、新旧のサーバーを並行して稼働させる期間が必要です。
この期間を仮に設けなかったとすると、サーバー移転中にデータ通信が停止する可能性があります。
この場合は、メールの送受信、ファイルへのアクセスなどができないことになってしまい、組織としては信用問題にもなってしまうかもしれません。

こうならないためにも、サーバーの併用期間を必ず設けるようにしましょう。

②データのバックアップを行う

サーバー移転の最中に、何らかのトラブルでデータが破損するようなことがあるかもしれません。
万が一に備えて、データのバックアップを取っておきましょう。

③データを移行する

バックアップを取ったら、いよいよデータを移行していきます。

④新しいサーバーにメールアドレスを登録する

今まで使っていたメールアカウントを使い続ける場合、メールアドレスを登録しましょう。
移行期間中は、新旧どちらのサーバーでもメールの送受信ができる状態にしておくことをおススメします。
こうすることで、「メールが届かなかった」などの見落としを防ぐことができます。

⑤独自ドメインの紐づけを行う

次にメールの送受信やWebサイトへのアクセスが新サーバーに振り分けられるように設定していきます。
DNS(ネーム)サーバーを新しいサーバーに切り替えることで、独自ドメインとの紐づけができます。

⑥動作確認を行う

作業自体はここまでで完了ですが、データの反映が完了するまでに数時間~2日程度かかるため、動作確認を必ず行うようにしましょう。
メールの送受信やWebサイトが正常に機能しているかどうかを確認し、不具合があればすぐに対応していきましょう。

⑦データ移行後のアナウンスを行う

移行作業が終了し、動作確認も問題なければ、運用フローやデータへのアクセス方法などのシステム変更を業務担当者に周知しましょう。
情報共有が漏れていた場合、業務中に混乱を招く可能性もあります。

⑧旧サーバーの契約を解除する

移行作業や社内へのアナウンスが済んだら、旧サーバーの契約の解除も忘れずに行いましょう。
解約方法は、サーバー会社によって異なりますが、下記のような流れが多いです。
①旧サーバー上のデータのバックアップを取る
②旧サーバー上のデータを削除する
③旧サーバー会社の管理画面から解約手続きを行う

サーバーのみの移転注意点

①サーバー移転期間中は新旧サーバーへのアクセスが混在する

DNSサーバー移転期間中はメールやWebサイトへのアクセスが古いサーバーにも届く可能性があります。
移転が完了する前に、旧サーバーを解約すると、Webサイトが正常に動作しなくなってしまう可能性があるため、移転完了までは、旧サーバーを必ず維持しておくようにしましょう。

②繁忙期を避けて移転する

サーバー移転中に万が一不具合が発生した場合、対応に時間を取られることがあります。
トラブルに対応できる余裕のある時期に移転を実施するようにしましょう。

③完全に移転できるまで時間がかかる

サーバー移転にかかる時間はデータ量によって異なります。
また、不具合やトラブルが発生した場合に対応する時間も必要となってきますので、
余裕をもったスケジューリングで実施するようにしましょう。

ドメインのみの移管手順と注意点

ドメインのみの移管手順と注意点
ドメイン移管のみを行う場合の手順と注意点をご紹介いたします。

ドメインのみの移管手順

①ドメイン取得日と更新日の確認

ドメイン取得後、60日以上経過していないとドメイン移管ができないため、ドメインの取得日を確認しておきましょう。
また、ドメインの更新日が1ヶ月以内に迫っていないかも確認しておきましょう。
更新期限がギリギリだと手続きが間に合わないリスクがあるため、ドメイン管理会社から移管を拒否されてしまう場合があります。

②ドメインのWhois情報の確認

Whois情報とは、ドメイン所有者の個人情報(氏名、住所、メールアドレスなど)のことで、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)という機関で一般公開が義務付けられています。

Whois情報の確認が必要な理由としては、
個人情報を公開したくないユーザーのために、ドメイン管理会社が代理して自社の情報を登録しているケースがあるためです(Whois代理公開サービス)。

しかし、ドメイン移管する際には、Whois情報に自分の個人情報を設定しておく必要があります。
特に、Whoisに登録しているメールアドレスに、移管に必要な手続きに関する重要な連絡が届くため、
Whois情報が、自分の現在の個人情報になっているかどうかを必ず確認しておきましょう。

③Whois代理公開サービスの解除

上記手順でWhois代理公開サービスを利用している場合は、これを解除して、自分の個人情報に変更します。
なお、Whois情報が書き換えられないようにロックしている場合(Whoisプロテクト)は、それも解除する必要がありますので、注意しましょう。

④ドメインロック(レジストラロック)の解除(JPドメイン以外)

ドメインロックとは、不正なドメイン移管を防ぐために、ドメインを移管できないようにする処理のことです。
ドメインロック状態ではドメイン登録者でもドメイン移管が行えないため、手続きを始める前にドメインロックを解除する必要があります。
具体的な手順は、移管元のドメイン管理会社によって異なるため、ヘルプページなどを確認してください。

⑤AuthCode(オースコード、認証キー)の確認

AuthCode(オースコード)は、ドメインを不正に移管されないように割り当てられているコードです。移管手続きで認証に必要になるので、
移管元のドメイン管理会社に確認、もしくは発行してもらいましょう。
ただし、ドメインの更新期限が1ヶ月以内になるとオースコードを取得できない場合があります。
更新期限まで1ヶ月以上余裕をもって移管しましょう。

ドメインのみの移管注意点

①移管できるドメインの種類が決められている

移管先のドメイン管理会社が指定するドメインしか移管できないことに注意が必要です。
「.com」「.jp」といった主要なドメインは、移管できるドメイン管理会社がほとんどですが、
あまり普及されていないドメインは対象外となっているケースがあるため、注意が必要です。

②DNSサーバーの設定を引き継げないこともある

移管先のドメイン会社によっては、元のDNSサーバーの設定を引き継げない可能性があります。
DNSサーバーの設定が異なると最悪の場合、Webサイトにアクセスできなくなってしまうこともありますので、
ドメイン移管が完了した後には必ずDNSサーバーの設定を確認し、移管元の管理会社のものから変更がないか確認しましょう。
移管元のDNSサーバーの設定をメモしておくと、引き継ぎされているかの確認をスムーズに行えます。

サーバーとドメイン両方の移行手順と注意点

サーバーとドメイン両方の移行手順と注意点
サーバー移転・ドメイン移管の両方を行う場合の手順と注意点をご紹介いたします。

サーバーとドメイン両方の移行手順

ドメイン移管とサーバー移転について、両方を行う場合は、同時に進行するのではなく、一つずつ行うべきです。サーバー移転が完了してからドメイン移管を行う順番をおすすめいたします。
よって、サーバーとドメインの両方を移行する場合の手順としては、上記のドメイン移管・サーバー移転の手順を参考に、順番にそれぞれを行ってください。

サーバーとドメイン両方の移行注意点

①サーバーとドメインの移行を同時に行わない

これは上でも述べましたが、サーバー移転とドメイン移管を同時に進めないようにしましょう。
理由は、リスクが高いからです。
例えば、サーバー移転では、サーバー変更後にサイトの表示や動作をチェックします。その際、もし不具合などがあった場合には修正が必要で、最終手段として旧サーバーに接続し直すという方法をとることもあります。しかし、ドメイン移管を同時に進めていた場合、サーバーの変更がリアルタイムで行えないなどの危険性が考えられます。そのため、1つずつ進めていくほうがリスクが低いのです。

②DNSゾーン設定をしている場合の注意点

ほとんどのケースでは、DNSサーバーは独自ドメイン管理会社またはレンタルサーバーのDNSサーバーのどちらかを使っているかと思います。
そのDNSサーバーの中でさらにDNSゾーン設定(メールサーバーとWebサイトを分けて運用etc)をしていて、なおかつ現在使用しているDNSサーバーが独自ドメイン管理会社のものである場合、
ドメイン移管後にDNSゾーン設定が引き継がれないために再設定が必要になります。

この場合、レンタルサーバーのDNSサーバーにDNSゾーンを設定したうえでDNSサーバー切り替えをおこない、新しいDNSサーバー反映後にメール機能とWebサイトが正しく機能することを確認してから、ドメイン移管を進めるようにする必要があります。

サーバー移行・ドメイン移管時の一般的なトラブル・対処法

サーバー移行・ドメイン移管時の一般的なトラブル・対処法
サーバー移行やドメイン移管時の注意点についてすでにご紹介しましたが、以下では注意を怠った場合どのようなトラブルが起こる可能性があるのかやその対処法をご紹介します。

①ドメイン取得後、60日経過していない場合のトラブルやその対処法

ドメイン取得後60日以内に移管を試みると、以下のようなトラブルや制約が発生することがあります。

①移管拒否

多くのドメイン管理会社はICANNのポリシーに従って、ドメイン登録後60日以内の移管を禁止しています。そのため、移管リクエストが拒否される可能性があります。

②手続きの遅延

移管手続きが進行しないことで、計画していたウェブサイトの立ち上げやサービスの移行が遅れることがあります。この遅延は、ビジネスやプロジェクトのスケジュールに影響を与える可能性があります。

これらのトラブルを避けるためにも、ドメイン取得からの経過日数を確認し、60日経過を待ってからのドメイン移管を計画しましょう。

②ドメイン移管審査で拒否される場合の対処法

ドメイン移管申請はできたけれど、ドメイン移管が完了しない場合は下記のような原因が考えられます。

①登録情報の不備による審査不通過

WHOIS情報に不備があり審査が通らないというものです。
特に住所や電話番号、メールアドレスを正確に入力しているか確認しましょう。
番地が入力されていない、入力欄がずれているといったケースもあるようです。

②オースコードの不備による審査不通過

誤ったオースコードで申請を行うと移管審査を通過できません。
コピーペースト時に不要なスペースが含まれてしまっているなどの可能性がありますので、正確に入力できているかを確認しましょう。

③ドメイン所有者による移管承認がなされていない

移管審査通過しても移管が完了しない場合もあり、原因としてはドメイン移管元による移管承認手続きができていないことが考えられます。
承認手続きは、キャンセルせずに待つことで、自動で承認されるパターンと、ドメイン登録者情報のメールアドレスに届く移管承認依頼のメールから承認操作が必要なパターンとがあります。

③データが消失するトラブルへの対処法

サーバー移転後にデータが消失してしまったというトラブルが起こる可能性があります。
サーバー移転の手順でもご紹介しましたが、バックアップを必ず取っておくようにしましょう。

クラウドサーバーへの移行時で押さえておきたい注意事項は、こちらの記事を参照してもよいでしょう。

まとめ

サーバー移転・ドメイン移管についてご紹介いたしました。
Webサイトの運営を行っていると、これらが必要になる機会もあるかと思いますので、
トラブルを避け安全・スムーズに移行ができるように本記事が一助になれば幸いです。

ご不明な点やお困りごとがございましたら、下記からお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

hosoda

MEO運用担当の細田です! 趣味はカフェ巡り、写真を撮ることなど。休日は推し活に励んでいます! 前職はアパレル店で洋服の販売を行っておりました。接客業を行っていたからこそできる”お客様に寄り添った提案“で全力サポートいたします! MEO運用に関して、推し活に関して何かございましたら、ぜひご相談させてください!