WEBサイトに集客する代表的な方法に「リスティング広告」や「SEO対策」があります。
どちらもユーザーが検索を行った際に、検索上位に自社サイトを表示させる方法ですが、仕組みや特徴が異なります。
そこで今回は、リスティング広告とSEO対策の違いを比較しながら、特徴やどちらを実施すべきかなどをご紹介していきます。
目次
リスティング広告とSEOの違い比較一覧表
比較項目 | リスティング広告 | SEO対策 |
---|---|---|
クリック率 | SEOと比較して低い | リスティング広告と比較して高い |
効果が表れるまでの期間 | 短い | 数か月~と長い |
費用とアクセス | 広告費を投資し続けないと、アクセスを保てない | 上記表示に成功すれば、継続的にアクセスされる |
リスティング広告とは?仕組み・特徴の詳細
リスティング広告とは、主にGoogleなどの検索エンジンの検索結果ページに広告を表示させるWEB広告の一種です。広告配信の仕組みとしては、広告主が設定したキーワードとユーザーが検索した語句がマッチした場合に広告を表示させる、といったものです。
リスティング広告の仕組み クリック課金型のWeb広告
リスティング広告は、クリック課金型のWEB広告です。広告主は広告がクリックされたときに料金を支払う仕組みで、広告が表示されるだけでは費用が発生しません。
広告の掲載順位については、オークションで決定します。
広告主がキーワードに対してどの程度の金額の入札を行っているか、に加えて広告媒体が評価する広告の品質も加味されて掲載順位が決定します。
リスティング広告の特徴① クリック率が低い
SEO対策と比較して、クリック率が低い場合が多いです。
リスティング広告が表示される場合は、「広告」「スポンサー」といった、広告であることが分かるように表記されています。
広告を避け、自然検索結果(SEO)のリンクをクリックするユーザーが一定数存在するためです。
リスティング広告の特徴② 即効性が高い
リスティング広告はSEO対策と比較して即効性が高い傾向にあります。
SEOはサイトのコンテンツなどの最適化に時間がかかり、検索エンジンのランキングを上げるのに時間がかかることがある一方で、
リスティング広告は広告主がキーワードを設定し、即座に広告を出稿できます。
つまり、リスティング広告に検索結果ページに表示させるために必要な時間が短く、キャンペーンを開始してすぐに広告を表示し、トラフィックやクリックを獲得することができます。
さらに、クリック等のデータがすぐに蓄積されるため、リスティング広告の入札額や広告内容を調整することで、成果に繋がりやすいユーザーへの広告配信の最適化を早く進めることができます。
そのため、新しい商品やサービスを宣伝したり、特定のプロモーションを即座に開始したりする際に、リスティング広告は効果的な手段となることがあります。
リスティング広告の特徴③ 掲載順位のコントロールが可能
リスティング広告はSEO対策と比較して、広告掲載の順位を比較的簡単にコントロールできる特徴があります。
リスティング広告では、キーワードの入札額や広告の品質などの要素で掲載順位が決定することは、すでに述べましたが、
主に入札金額を調整することで、広告の掲載順位をコントロールできます。
一方で、SEOは検索エンジンのアルゴリズムや様々な要因に影響され、ランキングを変えるのに時間がかかる場合があります。サイトのコンテンツやmetaタグを最適化することで、
検索エンジンの評価を向上させることは可能ですが、その効果を実感するまでには時間がかかることが一般的です。
リスティング広告の特徴④ 広告配信を続けなければ、サイトへの流入を担保し続けることができない
当然ですが、リスティング広告の配信を停止するとサイトの上位表示がされなくなってしまい、アクセス数が保てなくなります。
一方SEO対策は、一度上位表示されると他の競合と順位が入れ替わらない限りは、アクセスを持続的に担保できます。
SEO対策とは?仕組み・特徴の詳細
SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、ウェブサイトを検索エンジンで上位に表示されるように最適化することです。
SEO対策を実施することで、検索エンジン(主にGoogle)からのアクセスを増やすことができます。
SEO対策の仕組み Googleアルゴリズムに合うようにWEBサイトを工夫し、検索順位を上げる
SEO対策は、検索エンジン(特にGoogle)のアルゴリズムに合わせてウェブサイトを最適化し、検索順位を向上させることを目指します。
例えば
- Googleがウェブサイトの構造を理解しやすいようにサイトのタグを調整する
- ユーザーの求める情報をウェブサイトで提供する
- 多くの他のサイトからリンクを獲得する(=他のサイトから推薦・引用される)
などといった対策を行います
SEO対策の特徴① クリック率が高い
SEO対策にて上位表示ができるようになると、リスティング広告と比較してクリック率が高くなる場合が多いです。
リスティング広告の特徴でも述べましたが、広告を避け、自然検索結果のリンクをクリックするユーザーが一定数存在するためです。
※しかし、クリック率が高いのはあくまで上位表示できるようになった場合のみです。
SEO対策の特徴② 即効性は低い
一般的にSEO対策はリスティング広告と比較して即効性が低いとされています。SEOの施策を行ったあとに、検索エンジンが自アルゴリズムに合ったサイトかどうかの評価をすぐに行うわけではないからです。
詳しく書くと、
検索エンジンはウェブサイトのコンテンツやリンクの価値、ユーザーの信頼性など多くの要素を考慮してランキングを決定します。
これらの要素を改善するには、コンテンツの最適化、適切なキーワードの選定、サイトの信頼性向上、他のウェブサイトからの被リンクの獲得など、時間を要する作業が必要です。
SEOの効果を実感するためには、これらの取り組みが検索エンジンによって評価され、順位が上昇するまで数週間から数ヶ月かかることが一般的です。そのため、即効性を求める場合はリスティング広告のような有料広告を活用することが効果的かもしれません。しかし、SEOは長期的な効果をもたらし、持続的なオーガニックなトラフィックを獲得するために非常に重要です。
SEO対策の特徴③ 掲載順位のコントロールはできない
SEO対策によって、ウェブサイトの掲載順位を直接的に制御することはできません。検索エンジンはアルゴリズムを使って数々の要因を考慮してウェブサイトをランキング付けしており、これらのアルゴリズムは常に変化しています。そのため、SEO対策は検索エンジンのランキング基準に合致させ、ウェブサイトの価値を高めるような最適化を行うことで、掲載順位を改善することを目指します。
ただし、リスティング広告では1クリックに費用が発生するため、敢えて掲載順位が落ちるような入札を行うことがありますが、
SEO対策(自然検索結果)では、クリックされても費用が発生しないため、基本的には1位~3位などの上位表示を狙う施策を行いますので、
掲載順位のコントロールができないことが、直接デメリットとなることはないと考えられます。
SEO対策の特徴④ 上位表示されれば、費用をかけずにWEBサイトへのアクセスが見込める
SEOは上位表示されると、広告費用をかけずにウェブサイトへのアクセスを増やすことができますが、そのためには様々な施策を行う必要があるため、費用の代わりに時間と労力がかかります。
リスティング広告とSEOの違い
リスティング広告とSEO対策についてそれぞれ特徴をご紹介しましたが、一度その違いを比較・整理してみましょう。
リスティング広告とSEOの違い① 成果が出るまでの期間
リスティング広告は即効性があります。広告が設定され次第、通常はすぐに効果が現れ、広告が表示されるため即座にクリックやウェブサイトへのアクセスが始まります。このため、リスティング広告は比較的短期間で目に見える成果をもたらすことができます。
一方で、SEO対策は時間がかかります。SEOでは、検索エンジンがサイトの変更をクロールし、その変更を評価し、ランキングを変動させるまでに時間がかかることがあります。通常、SEOの効果を実感するには数週間から数ヶ月、場合によってはそれ以上の時間がかかることがあります。特に競争の激しい業界では、上位にランクインするための努力と時間が必要です。
このため、リスティング広告はすぐに結果を出すことができますが、広告費用が発生する一方、SEOは効果が出るまでに時間がかかりますが、長期的な持続的な結果をもたらす可能性が高いです。
リスティング広告とSEOの違い② 費用
リスティング広告は有料広告です。広告をクリックした際に料金が発生します。しかし継続的に広告を表示し、アクセスを集め続けるためには広告予算が必要です。
一方で、SEO対策は広告費用をかけずに実施できますが、時間やリソースを要します。SEO対策では様々な施策を行う必要があります。
これらの作業は人件費や時間がかかるため、直接的な広告費用は発生しませんが、労力や時間を投資する必要があります。
総じて言えることは、リスティング広告は即効性がありますが、広告費用がかかる一方で、SEOは費用をかけずに実施できますが、時間と労力が必要です。
リスティング広告とSEO対策の効果比較
ここまででリスティング広告とSEO対策の違いをご紹介しましたが、「結局どっちが効果的なの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
この問いの答えは、自社の集客に対する考え方によって使い分ける、あるいは両方に取り組む、ということになります。
以下で詳しく見てみましょう。
短期的にすぐ集客をしたい場合はリスティング広告
リスティング広告は比較的即効性があります。広告が表示されるとすぐにクリックやウェブサイトへのアクセスが始まり、どのキーワードやターゲットが効果的なのかの分析も始めることができます。
広告を停止すれば効果も途切れますが、広告を配信している間はWEBサイトへのアクセスを獲得でき、成果が得られる可能性が高まります。
中長期的な視点で継続して集客し続けたい場合はSEO対策
SEO対策は効果がより長期的で持続的です。SEOによってウェブサイトの品質が向上し、検索エンジンでのランキングが上昇することで、長期間にわたって安定したトラフィックを獲得することができます。
SEOの効果は即座に現れるわけではなく、適切な対策を実施してから時間が経過した後に徐々に結果が現れることが一般的です。
商材によっては得意不得意がある
例えば、季節的な需要がある商品やサービスでは、リスティング広告が効果的です。キャンペーンやセール、特別なイベントなど、短期間で需要を高める必要がある場合、リスティング広告でその時期にまとまったアクセスを獲得することが可能です。
また、SEO対策が有効なケースとしては、単価が低い商品やサービスが挙げられます。
なぜなら、費用対効果が合わなくなりやすいからです。
例を出して説明すると、
リスティング広告で1コンバージョンを得る確率は、クリック数の1%と言われています。
100クリックに1回コンバージョンが獲得できるというイメージです。
このとき、1クリック150円だった場合、1回のコンバージョンに必要な広告費は15,000円となりますが、仮に商品単価が1,250円だと、13,750円の赤字になってしまいます。
このように、商材単価が低い場合は、SEOによって上位表示化し、継続的な集客を行うことで売上を上げていくのが現実的です。その他SNSなどの他の集客手段も候補に入れると良いでしょう。
SEO対策とリスティング広告は併用した方がよいか?相乗効果はあるか?
上記をまとめると、自社の集客について、
広告費用がかかってもよいので、短期的に成果を出したい場合は、「リスティング広告」を
中長期的に見て、費用をできるだけ抑えたい場合は「SEO対策」を選ぶとよい、
ということになりますが、リスティング広告とSEO対策を併用する、という考え方もあります。
例えば、リスティング広告を出稿し、成果の取れやすいキーワードの傾向が分かってきたら、
そのキーワードで上位表示できるようにSEO対策を実施する、といった方法が考えられます。
こうすることによって、成果が取れるか分からないキーワードでSEO対策をする分の労力をショートカットすることが可能です。
まとめ
以上、リスティング広告とSEO対策の違いについてご紹介しました。
本記事が読者の皆様のWEB集客手段の選定の手助けになりましたら幸いです。
また、「どちらにすべきか決めかねている」「戦略から提案してほしい」などご依頼ごとがございましたら
お問い合わせフォームよりお問い合わせください。