
💡 この記事の要点(3秒でわかるまとめ)
- AIの「おすすめ」は独自の評価ではなく、主に比較メディアやMEOのクチコミを集計して生成されている。
- 汎用的な質問より、特定業界に絞った専門の専用ページを持つことが、AIに直接引用される最短ルート。
- ChatGPT等の検証は、メモリやチャット履歴によるパーソナライズの影響を排除して行う必要がある。
「代理店、AIに聞いて探しました」——この一言から始まった、自社によるLLMO事例の記録です。
先日、お客様からこう言われて背筋が伸びました。検索窓ではなく、チャットに話しかけて発注先を決める。もうそういう時代です。
では実際、AIに「大阪でリスティング広告の代理店を探しています。おすすめはどこですか?」と聞くと、どこの会社の名前が出てくるのか。そして自社は、いったい何番目に出てくるのか。
ChatGPT・Gemini・Claudeの3つに同じ質問を投げて、順位を数えてみました。
LLMO(大規模言語モデル最適化)が本当に効いているのかを、自社で確かめたLLMO事例としてお読みください。
結論から言うと、同じ会社なのに「1番目」にも「4番目」にも「そもそも出てこない」にもなりました。その差がどこから生まれるのかが、今回いちばんの収穫です。
LLMO事例の検証ルール
難しいことはしていません。誰でも5分で再現できます。
- 質問文:「大阪でリスティング広告の代理店を探しています。おすすめはどこですか?」
- 対象:ChatGPT(GPT-5系)/Gemini(思考モード)/Claude(Sonnet 5)
- 条件:それぞれ新規チャットで1回ずつ。ヒントや追加情報は与えない
- 検証日:2026年9月22日〜23日
このLLMO事例では、途中で気になったことが出てきたので検証を3つ追加しました。
①メモリを切った状態での再検証、②業種を変えた質問、③質問の言い回しを変えた場合です。こちらのほうが学びが大きかったので、あとでまとめて書きます。
【LLMO事例①】ChatGPT:マップ付き+比較表。ついでに他社の広告まで出てきた
まずChatGPT。1分24秒考えたあと、想像以上の情報量が返ってきました。
いきなり地図が出た
回答の先頭に表示されたのは、文章ではなくGoogleマップでした。大阪市中央区あたりが表示され、ピンが2本。しかもクチコミ評価つきです。
- 株式会社グラッドキューブ ★4.4(広告代理店)
- ZOOST株式会社 ★4.0(インターネットマーケティング業)
チャットAIに文章で質問したはずが、返ってきたのは完全にMEOの世界でした。この時点で「AIO対策はSEOの話」という思い込みが崩れます。Googleビジネスプロフィールの整備状況が、チャットAIの回答にそのまま反映されているわけです。
そのあとに比較表6社
地図の下には「広告運用だけを任せたいのか」「LP改善やWebマーケティングまで任せたいのか」で候補が変わる、という前置き。そして比較表が出てきました。
| 順番 | 会社 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 1 | 株式会社グラッドキューブ | Web広告・リスティングに強い | 本格的に広告運用したい |
| 2 | ZOOST株式会社 | 広告運用+LP・Webマーケティング | 広告からサイト改善まで任せたい |
| 3 | 株式会社PLAN-B | Web広告+SEOなど総合的なデジタルマーケティング | 中〜大規模の集客 |
| 4 | 株式会社クイックリー | リスティング広告に特化した運用代行 | 中小企業・運用代行を重視 |
| 5 | 株式会社バリューエージェント | 比較的少額から対応 | 中小企業・低予算で始めたい |
| 6 | AdRegion | 少額予算のGoogle広告運用を得意とする | 月数万円程度から試したい |

▲ ChatGPTが実際に提示した比較表。これが今回のLLMO事例の出発点です。
弊社、6社中4番目。載っているだけありがたいのですが、正直もう少し上にいたい。
推薦の真下に、競合の広告
そして回答の最後。しれっと他社の広告が表示されていました。「中小企業のインターネット広告運用代行/初期費用0円〜/最低利用期間なし」。代理店を探している人に、代理店の広告が出る。ターゲティングとしては完璧です。
AIに推薦されている真下で、競合が広告枠を買っている。AIOの世界にも、オーガニックと広告の二層構造がすでにできあがっているということです。ここは運用者として見逃せないポイントでした。
そして見つけた、致命的な落とし穴
回答をよく読んでいて、手が止まりました。
過去の自分との会話の記憶(メモリ)を参照して回答を引き出すのです。
弊社のアカウントで聞いたので、これまでのやりとりを踏まえて回答をパーソナライズしてきたわけです。
つまり「自社のアカウントで聞いて自社が出てきた」は、証拠として何の意味もない可能性がある。ということで、条件を変えて検証をやり直しました。
【LLMO事例②】メモリを切ったら、順位が2つ上がった
ChatGPTには「一時チャット」という機能があります。履歴に残らないモードです。これで同じ質問を投げ直しました。
結果、比較表のメンバーがごっそり入れ替わりました。
| 順番 | 会社 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 株式会社グラッドキューブ | リスティング+Webマーケティングに強い |
| 2 | 株式会社クイックリー | リスティング広告の運用実績が多い |
| 3 | 株式会社バリューエージェント | 広告・SEO・Webマーケティングを一括支援 |
| 4 | 株式会社PLAN-B | Google・Yahoo!広告など幅広く対応 |
| 5 | ASUE株式会社 | Web広告・マーケティングに対応 |
| 6 | AdRegion | 少額予算からのGoogle広告運用を得意としている |
4番目から2番目に上がりました。さらにその下には「特に比較してほしい3社」というダメ押しの見出しがあり、こうなっていました。
- グラッドキューブ — 広告運用だけでなく、Webマーケティング全体を見てもらいたい場合
- クイックリー — リスティング広告の運用そのものを重視する場合。広告費に対して運用手数料20%という料金例も掲載されています
- AdRegion — 大きな広告予算をかける前に、少額からGoogle広告を始めたい場合
3社に絞られた中の2番目。しかも料金体系まで拾われています。
この「手数料20%」は弊社の公式サイトではなく、比較メディアの掲載情報から引っ張ってきたものでした。ここ、あとの考察で効いてきます。
ただし「一時チャット」でもメモリは切れていなかった
ここでもう一度、注意書きを読んでみてください。一時チャットの画面上部にはこう書かれています。
このチャットではメモリ、プラグイン、カスタム指示を参照できますが、履歴には表示されません。
「履歴に残らない」だけで、メモリは参照されるのです。実際この回答にもこれまでの会話を踏まえて、という一文が入っていました。完全に素の状態で検証したいなら、ログアウトするか別ブラウザを使う必要があります。
裏を返すと、順位が4位→2位に変わったのは、メモリの有無というより同じ質問でも回答は毎回揺れるということでもあります。
1回の結果で一喜一憂しない。これは順位チェックと同じ感覚です。
【LLMO事例③】業種を変えたら、いきなり1番目になった
ここまでで「4位」「2位」と来たので、もうひとつ試しました。質問を変えます。
製造業のホームページ制作を依頼できる会社を探しています。おすすめはどこですか?
弊社には製造業特化のサイト制作サービスがあり、専用ページを持っています。ここが効くかどうかの検証です。
返ってきた「候補になりやすい会社」の1番目が、これでした。
1. 株式会社クイックリー
・製造業に特化したホームページ制作サービスを展開
・コーポレートサイトだけでなく、採用サイト・LP・SEO・Web広告まで対応
・大阪市淀川区にオフィスあり
・製造業の「技術・設備・加工能力」を整理して、問い合わせにつなげる設計を得意としているようです
1番目。しかも引用元が比較メディアではなく、弊社の公式サイト(製造業専門ホームページ制作のページ)そのものでした。リンクまで貼られています。
同じ会社が、同じAIに、同じ日に聞かれて、汎用的な質問では4番目、専門性のある質問では1番目。この差がすべてを物語っていました。
「大阪 リスティング広告 代理店」は競合が多く、比較メディアの寄せ集めで順位が決まります。
一方「製造業 ホームページ制作」のように絞られた領域では、専用ページを持っている会社が直接引用される。
AIO/LLMOの打ち手として、いちばん再現性が高いのはここだと思います。
【LLMO事例④】Gemini:6分考えた末に、答えを放棄した
続いてGemini(思考モード)。
考えています。
まだ考えています。
……6分後、返ってきた答えがこちらです。
大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、そちらには対応できません。
6分。
ちなみに、別の検証で「株式会社クイックリーってどんな会社ですか?」と自社名を聞いたときも、Geminiはこう返してきました。
私は言語モデルですので、そちらに対応できるようには設計されていません。
こちらは自動で付いたチャットタイトルが「クイックリーに関する回答不能の問い合わせ」。回答不能と自己申告されるのはなかなかの体験です。
2回とも共通しているのは、「特定の企業について語る」質問を避けているという点です。推測の域は出ませんが、Google自身が広告事業と検索事業を持っている以上、代理店の優劣や企業評価を語るのはリスクが高い、という設計判断はありそうです。
実務的な結論はシンプルで、Geminiのチャット欄で自社を出そうと消耗するより、Google検索側のAI Overviewsとビジネスプロフィールを整えるほうが早いということです。Googleの土俵は、いまのところチャットではなく検索結果のほうにあります。
【LLMO事例⑤】Claude:5社挙げたうえで、情報源に釘を刺してきた
最後にClaude。回答は約30秒と3社でいちばん速く、そして冒頭からいきなり牽制が入りました。
比較サイトの多くは広告代理店支援や一括見積もりサービスが運営しているため、特定の1社を「ここが一番」と断定するのは避けて、選択の参考情報としてお伝えします。
そのうえで「比較サイトで繰り返し名前が挙がる代理店」として5社を挙げてきました。
- デジタルフィールド株式会社(大阪市中央区)— 3ヵ月契約プランで月間広告費10万円未満なら月額固定1万円、10万円以上なら広告費の25%、という料金体系まで具体的に紹介
- 株式会社グラッドキューブ(大阪市)— 他社で成果が出なかったクライアントのCVを533%アップ、CPAを65%削減した実績に言及
- 株式会社Tumugu — 担当者の業界歴が長く、規模や業種から最適な運用方法を提案してくれる点を紹介
- 株式会社クイックリー(大阪市淀川区)— Google広告やYahoo!広告の正規代理店で、あらゆる業種に実績があり契約期間の制約がない点を紹介
- StockSun株式会社 — 月10万円〜で戦略立案から改善まで一貫対応
こちらでも4番目。ただ、紹介文が「契約期間の制約がない」でした。
これはまさに弊社が繰り返し打ち出している点なので、どこかの比較記事に書いた一文が、そのままAIの紹介文になっていることがわかります。
そして締めが、これ。
比較サイトの多くはアフィリエイト/送客モデルで運営されているため、掲載順位=品質順とは限りません。
2〜3社に無料相談や見積もりを依頼して、担当者の提案の具体性や説明のわかりやすさで比較するのが実務的です。
AIに代理店を選ばせておいて、AIに「その情報源、鵜呑みにするなよ」と言われる。2026年らしい光景でした。
ちなみにこれ、代理店の立場から見ても完全に正論です。
LLMO事例の結果まとめ
| ツール | 回答時間 | 弊社の順位 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT(通常) | 1分24秒 | 6社中4番目 | マップ+クチコミ評価+比較表。末尾に競合の広告 |
| ChatGPT(一時チャット) | 約1分 | 6社中2番目 「特に比較してほしい3社」の2番目 |
料金体系まで引用。メモリは参照されたまま |
| ChatGPT(製造業の質問) | 約1分 | 1番目 | 公式サイトを直接引用 |
| Gemini | 6分 | 掲載なし(回答拒否) | 企業推薦には一貫して答えない |
| Claude | 約30秒 | 5社中4番目 | 情報源の偏りに自ら注意喚起 |
同じ会社が、1番目にも4番目にも、掲載なしにもなる。まずこの振れ幅を知っておくことが出発点だと思います。
このLLMO事例でわかったLLMO対策のリアル
1. AIの「おすすめ」の正体は、比較メディアの集約【LLMO事例の核心】
今回のLLMO事例でいちばんはっきりしたのがこれです。ChatGPTもClaudeも、独自の評価軸で代理店を選んでいるわけではありませんでした。両者が引用していたのは、一括見積もりサイト、比較メディア、業者マッチングサイトです。Claudeに至っては自分でそれを白状しています。
実際、ChatGPTが拾ってきた「運用手数料20%」も、Claudeが拾ってきた「契約期間の制約がない」も、弊社の公式サイトのコピーそのままではなく、第三者メディアに掲載された紹介文でした。
つまり構造はこうです。
比較メディアに掲載される → AIがそれを読む → AIの推薦リストに載る
身も蓋もないですが、AIO対策として最初に効くのはここでした。「AI向けに文章を書き換える」より前に、「AIが読みにいく場所に自社の情報があるか」を確認するほうが先です。
2. 専用ページの有無が、順位を決めている
もうひとつ補足しておくと、今回の質問はどれも「おすすめはどこですか?」という、かなり素直な聞き方です。実際の見込み客はもっと具体的に、「予算が月20万円で、問い合わせを増やしたい」「製造業で採用も強化したい」といった条件つきで聞いてきます。条件が具体的になるほど、AIは汎用的な比較メディアではなく、その条件に答えているページを探しにいきます。質問が具体的になるほど、専用ページを持っている会社が有利になるということです。
このLLMO事例の中で、いちばん再現性が高そうな発見がこれです。
「大阪 リスティング広告 代理店」のような汎用クエリでは4番目。ところが「製造業のホームページ制作」という絞られたクエリでは1番目で、しかも公式サイトが直接引用されました。
汎用クエリは競合が多く、AIは比較メディアを頼りにします。一方、専門領域では比較メディア自体が少ないため、AIはその領域の専用ページを直接読みにきます。これは中小企業にとって圧倒的に有利な話です。全方位で戦う必要はなく、勝てる領域の専用ページを厚くすればいい。
「〇〇業界向け」「〇〇のお悩み向け」の専用ページを持っているか。これがAIO時代のいちばん素直な打ち手でした。
3. MEOがAIOに直結している
このLLMO事例で意外だったのがこの点でした。ChatGPTが回答の先頭にGoogleマップを出し、★4.4・★4.0というクチコミ評価を添えてきたのは象徴的でした。製造業の質問でも、★4.9の制作会社がマップで表示されています。
Googleビジネスプロフィールの整備とクチコミ獲得は、もはやローカル検索だけの施策ではありません。チャットAIの回答画面に、そのまま星の数として出てくる。MEO対策の投資対効果が、静かに上がっています。
4. 自社アカウントでの検証は、ほぼ当てにならない
「AIに聞いたらうちが1位だった」という話を見かけたら、まず疑ってください。そのアカウントがどれだけ自社のことを記憶しているかで、結果は簡単に変わります。
しかも今回わかったとおり、ChatGPTの一時チャットは履歴に残らないだけでメモリは参照します。完全に素の状態で見たいなら、ログアウトするか、別ブラウザのシークレットウィンドウを使ってください。
これは自戒でもあります。最初の検証でそのまま記事にしていたら、事実と違うことを書くところでした。
5. Geminiは推薦しない。だから土俵が違う
Geminiは2回とも企業推薦を拒否しました。ここに労力を割いても報われる見込みは薄いです。
ただしGoogleの検索結果側、つまりAI Overviewsは別物です。あちらは普通に企業名を出します。
Google圏への対策は、Geminiのチャットではなく、検索結果とビジネスプロフィールに向ける。この整理だけでも、やることがかなりシンプルになります。
6. AIの推薦のすぐ隣に、広告枠がある
忘れてはいけないのが、ChatGPTの回答直下に表示されていた競合の広告です。
オーガニックで推薦されるのが「AIO対策」だとすれば、その隣には確実に広告の枠が用意されつつあります。
SEOとリスティング広告の関係が、そのままAIの回答画面に移植されようとしている。
運用型広告をやっている側としては、ここは早めに触っておきたい領域です。
LLMO事例から導いた、明日からできるAIO/LLMO対策7つ
検証結果から、実務に落とせるものを優先順で並べます。
① 勝てる領域の専用ページをつくる(最優先)
今回のLLMO事例でいちばん効果が確認できた施策です。「〇〇業界向け」「〇〇のお悩み向け」という切り口で、独立したページを用意してください。
ポイントは、会社案内の一部として書かないこと。そのテーマだけで完結する1ページにすると、AIが引用しやすくなります。含めておきたいのは、対象業種、その業種特有の課題、自社の実績年数、提供範囲、所在地。今回ChatGPTが弊社の製造業ページから拾ったのは、まさにこの5点でした。
② 比較メディア・一括見積もりサイトへの掲載を棚卸しする
AIが読んでいるのは比較メディアです。自社が今どこに載っているか、載っている内容は古くないか、まず一覧にしてください。
掲載されていない主要メディアがあれば、そこは空白地帯です。無料掲載枠を持っているサイトも少なくありません。プレスリリース1本、比較サイト掲載1件の価値を、いまいちど見直す価値があります。
③ Googleビジネスプロフィールを整えて、クチコミを増やす
ChatGPTがマップと星を出してくる以上、ここは直結します。営業時間、写真、サービス内容、説明文を最新に保ち、クチコミを継続的に集める。地味ですが、いちばん裏切らない施策です。
④ 構造化データを入れる
会社概要ページにOrganizationスキーマを設置し、社名・住所・設立・電話番号・URL・sameAs(各SNSや外部掲載ページ)を明示します。よくある質問ページにはFAQスキーマを。
AIにとっては「拾いやすい形で置いてあるか」が効きます。人間が読んで分かることと、機械が構造として読めることは別物です。
⑤ 自社の「ひとこと説明」を統一する
Claudeが拾ってきたのは「契約期間の制約がない」、ChatGPTが拾ってきたのは「運用手数料20%」でした。繰り返し露出している一言が、そのままAIの紹介文になります。
逆に言えば、媒体ごとにバラバラの説明文を出していると、AIの中でも像がぼやけます。「地域+業種+いちばん言いたい特徴」の型を決めて、公式サイト、比較メディア、SNSプロフィール、プレスリリース、すべてで揃えてください。
⑥ 検証は正しい条件でやる
ログアウト状態か、別ブラウザのシークレットウィンドウで。ChatGPTの一時チャットはメモリを参照するので不十分です。また、1回の結果では判断せず、最低3回は同じ質問を投げて傾向を見てください。
⑦ 月1回の定点観測をフォーマット化する
LLMO事例として記録を残すなら、順位チェックと同じ感覚で構いません。最低限これだけあれば十分です。
- 検証日と使用ツール(バージョンがわかれば併記)
- 質問文(毎回まったく同じ文言にする)
- 自社が何番目に出たか/出なかったか
- 一緒に挙がった競合名
- 引用元として表示されたURL
- スクリーンショット
特に引用元URLの記録は重要です。どのメディアがAIに読まれているかが見えてくると、次に手を入れるべき場所が具体的になります。
LLMO事例に関するよくある質問
Q. LLMOとAIO、SEOは何が違うのですか?
ざっくり整理すると、SEOは検索結果で上位に出るための取り組み、AIOはAIが生成する回答に自社が登場するための取り組み、LLMOは大規模言語モデルに正しく認識・引用されるための取り組みです。AIOとLLMOはほぼ同じ意味で使われることが多く、厳密に使い分けている人のほうが少数派です。
重要なのは、これらが対立するものではないという点です。今回のLLMO事例でAIが引用していたのは、比較メディアの記事、公式サイトのサービスページ、Googleビジネスプロフィール。どれも従来のSEO・MEOで整えてきた資産でした。SEOをやめてLLMOに乗り換える、という話ではありません。
Q. AIに載ると、実際にアクセスや問い合わせは増えるのですか?
正直に言うと、いま断定できる段階ではありません。AIの回答内で完結してクリックされない「ゼロクリック」も当然起きます。
ただし、AIの回答で名前が出るかどうかは、検討リストに入るかどうかそのものです。比較検討の入口で名前が出ない会社は、そもそも見積もり依頼の候補になりません。アクセス数より、指名検索や問い合わせの質の変化で見ていくべき指標だと考えています。
Q. 比較サイトにお金を払わないと載らないのですか?
有料掲載のメディアも多いですが、無料掲載枠を持つサイト、編集部が独自に選定するまとめ記事、業界団体や認定パートナーの一覧など、費用をかけずに載れる場所もあります。
また、プレスリリースは費用対効果が高い選択肢です。今回の別検証では、ChatGPTが弊社のPremier Partner認定に関するプレスリリースを引用元のひとつにしていました。リリース1本が長く効く可能性があります。
Q. 対策の効果が出るまで、どのくらいかかりますか?
AIは学習済みの知識だけでなく、その場のWeb検索結果も使います。そのため、比較メディアへの新規掲載や専用ページの公開は、検索エンジンにインデックスされた時点から反映されうる、というのが実感です。
一方で、モデル自体が持っている知識は更新が遅いため、「AIの中の自社像」が変わるにはもっと時間がかかります。短期は引用される場所づくり、中長期は情報の一貫性、と分けて考えるのが現実的です。
Q. 自社がまったく出てこない場合、何から手をつければいいですか?
順番としては、①Googleビジネスプロフィールの整備、②比較メディアへの掲載確認、③勝てる領域の専用ページ作成、④構造化データ、の順をおすすめします。
そのうえで、AIに「自社名」で聞いてみてください。社名で聞いても出てこないのか、業種で聞くと出てこないのかで、打ち手がまったく変わります。前者なら情報の存在自体が足りておらず、後者なら競合との相対評価の問題です。
Q. LLMO事例を追いかける意味はありますか?AIの回答は毎回変わりますよね
あります。ただし「1位を取る」ではなく「候補に入り続ける」を目標にしてください。
今回も4位と2位で揺れました。この揺れの中に居続けられるかどうかが分かれ目で、そもそも候補に入っていない会社は、何回試しても出てきません。順位そのものより、掲載率を見るべき指標だと考えています。
LLMO事例を読むための用語おさらい
- LLMO(Large Language Model Optimization)大規模言語モデルに、自社の情報を正しく認識・引用してもらうための取り組み。本記事のようなLLMO事例で検証するのは、この取り組みの効き具合です。
- AIO(AI Optimization)AIが生成する回答の中に自社を登場させるための取り組み。LLMOとほぼ同義で使われます。
- AI Overviews Google検索結果の最上部に表示される、AIによる要約回答。Geminiのチャットとは別物です。
- MEO(Map Engine Optimization)Googleマップやローカル検索で上位表示させる取り組み。今回、チャットAIの回答にも直結することがわかりました。
- 構造化データ ページの内容を機械が読める形式で記述したもの。Organizationスキーマ、FAQスキーマなど。
- ゼロクリック 検索結果やAIの回答内で用が足り、サイトを訪問しないまま終わること。
AIに引用される状態をつくる取り組みそのものについては、LLMO対策のサービスページとLLMOとSEOの違いを整理したページでも解説しています。本記事はその実地LLMO事例という位置づけです。
ちなみに、この検証にかかった時間は全部で30分ほど、費用はゼロです。3つのAIに同じ質問を投げて、スクリーンショットを撮って、順位を数えるだけ。それだけで、自社が市場でどう見られているかの断面が取れます。競合調査としても、これほど手軽な方法はそうありません。
LLMO事例のまとめ
「AIに聞いて探しました」と言われる時代の対策は、思ったより地味でした。今回のLLMO事例から言えることを整理します。
- 汎用クエリでは4番目。専門領域の専用ページを持つクエリでは1番目
- AIの推薦の材料は、比較メディアとGoogleビジネスプロフィール
- Geminiは企業推薦に答えない。Google圏は検索結果側で戦う
- 自社アカウントでの検証は当てにならない。一時チャットでも不十分
- AIの推薦のすぐ隣には、もう広告枠がある
このLLMO事例を通して見えたのは、結局のところAIの向こう側にある情報源を整えることに尽きる、ということでした。魔法のプロンプトも、AI向けの隠しテキストも必要ありません。
まずは自社の業種と地域で、AIに聞いてみてください。5分で終わります。そして出てこなかったとしたら、それは伸びしろです。
弊社ではAIO/LLMOを含めたWeb集客のご相談を承っています。「AIに聞かれたときにうちが出るか」が気になった方は、お気軽にご相談ください。
※本記事の検証は2026年9月22日〜23日時点のものです。AIの回答は同じ質問でも毎回変わる可能性があります。
【よくある質問】このテーマに関するQ&A
本コラムのテーマに関連して、よくいただくご質問にお答えします。
A. 両者は対立するものではなく、従来のSEO資産がそのままLLMOの土台になります。SEOは検索結果の上位表示を目指しますが、LLMOはAIが回答を生成する際の引用元になることを目的とします。AIは比較メディアや公式サイトを学習・参照するため、まずは既存のWeb資産を整えることが近道であると株式会社クイックリーは考えます。
A. はい、検討リスト(ショートリスト)に入る確率が格段に高まります。AIの回答内で完結するゼロクリック検索の懸念はありますが、推奨リストに社名が挙がることは強い社会的証明となり、結果として指名検索や成約率の高い問い合わせの増加に寄与します。新しい購買行動への対応は急務です。
A. まずはGoogleビジネスプロフィールの整備と比較メディアへの掲載から始めてください。AIは地図情報や外部のランキングサイトを重要な情報源としています。その上で、特定の業種や悩みに特化した専用ページを作成し、AIが「特定の条件」に対して引用しやすい構造を作ることが、最も再現性の高い対策です。
この記事を書いた人
















